【直撃】グーグルAIは、最高級「エルメス」のデザインを創れるか?
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Googleで、人工知能とアートの研究をしているこの2人のお話しは、最高に面白いものでした。
ちょっと乱暴かなと思いつつ、途中で「GoogleのAIを使ったら、あのエルメスのデザインパターンとかを学習して、勝手に新作をつくれるんじゃないですか」といった質問をすると、非常におもしろい回答もしてくれました。
ビジネスや産業分野でも、人間とAIがどのような創作活動を一緒にできるかという点については、大きなヒントがあるように思いました。デザインできるか?と質問できればできると即答できます.
我々は何か美術や音楽など,芸術性の高い物のデザインは,人の知を超えた,何か神秘的な作業だと考えてしまう.でもそんなことはありません.そのような物のデザインは,機械や飛行機を設計する(デザイン)と全く変わらない.
機械をデザインするときコンピュータを使う.デザイン対象となるものの特徴を表す量をパラメータとして,コンピュータでシミュレーションによる評価を繰り返しながら人間が最終決定を行う.そのとき,人間が思う優れたデザインとはどのようなものかを数値化した評価関数を用意し,またパラメータの満たすべき条件を制約条件として最適化計算を行えば,コンピュータが優れたデザインの候補を自動で出力してくれる.
美術のデザインや音楽の作曲もそれと同じ.ただ,美術のデザインや音楽の作曲に必要とする設計パラメータの数や制約条件の数は非常に多く,かつ設計空間は非線形,不連続である.しかも,評価関数や制約条件を表す関数が確率を含む不確実性を含む.そこに何となく神秘性を感じるだけである.そのような従来の最適化手法では求解が困難な最適化問題に対して,AIという有望な手法が現れてきたのである.
一方,重要だと思うのは,制約条件というものが存在すると言ったが,これはあくまで人間の思い込み(バイアス)に過ぎない.ここを変えれば,違うデザイン,もしかすると,もっと評価関数の良い,人が心地好いと感じるデザインが生み出されるかもしれません.この問題設定は人間がしないといけません.今後,コンピュータの処理能力が上がると,制約条件を緩めてやり,さらに究極的には無くしてやって,人知の及ばないデザイン作品が次から次へと生み出されるかもしれない.
ちなみに,囲碁,将棋,チェスをするAIも最適化問題を解いている.「エルメス」のデザインとやっていることは変わらない.元ギタリストです。
言われてみれば人工知能が優れたメロディを生み出せるというのは、違和感ないです。
優れた音楽に理論は不可欠。良い音楽というのは理論的な説明ができます。たとえば小室哲哉の音楽は、小室進行というコード進行のパターンがあり、小室哲哉独特のサビでの転調があります。彼はこの法則を見つけてヒット曲をバシバシ量産できたとNHKの番組で語っていました。
ギターソロだって究極をいえば、そのコードの構成音(もしくは構成はしないがスパイスとして使える音)というのがあるので、そこから音を選ぶ作業でもある。私はセンスよりむしろ理詰めでギターアレンジを作るタイプだったし。
人がどういう音で感動するのか、どの音がどういう順番でなれば悲しい音になるのかは全てとっくの昔に理論化されていますし。