ベンチャー第3世代は、「サイエンスの天才」が担う

2017/5/28

基礎研究をビジネスにつなげる

──大関さんは、量子コンピューターの開発でカナダやアメリカが先んじたことに問題意識を抱いて、ビジネスとのつながりを見つけるために、いろんな場所に顔を出されていますね。
大関 量子力学を用いた産業化の話を、たとえば西森先生などに提案したら、「それはそれでいいんじゃないの」っていう答えがきっと返ってくると思うんです。
だけど、本人は独自の世界で新しい道を見つけるために研究をされている。僕も前に進むこと自体は変わらないです。
大関真之(おおぜき・まさゆき)東北大学准教授
1982年東京出身。東京工業大学理学部物理学科卒業、2008年同大学院博士課程早期修了、駿台予備校非常勤講師、京都大学大学院情報学研究科助教、ローマ大学物理学科研究員を経て、東北大学大学院情報科学研究科准教授。博士(理学)。2016年文部科学大臣表彰若手科学者賞ほか受賞。主な著書に「量子コンピュータが人工知能を加速する」(共著)など。
ただやっぱりアウトリーチを通して、それをさらに広げてビジネスにつながるような営業活動、横の広がりみたいなものは僕みたいな人間が積極的に担わなくてはいけない。そして民間企業も参入してくれれば大きな発展につながります。
そうやって分業していけば、日本の特異な研究環境であっても負けることはないはずです。