[ハノイ 19日 ロイター] - 環太平洋連携協定(TPP)に参加する米国以外の11カ国は、TPP発効を目指す方針に変わりがないことを確認する声明を発表する。11カ国間の協議に詳しい関係筋が話した。

11カ国はアジア太平洋経済協力会議(APEC)の貿易相会合に合わせて協議を重ねている。関係筋は「主要項目は2つ。ひとつは11カ国でなるべく早期の発効を目指すこと。もうひとつは署名国が協定に復帰できる環境を考えることだ」と述べた。2018年のTPP発効を予定している。

一方、米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は、中国などと2国間協議を開く予定だ。自由貿易で世界の主導権を握りたい中国は、自らも参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を推進する方針だ。RCEPよりはるかに包括的なTPPの協議は日本が主導する。米国はトランプ大統領が就任して間もなくTPPから離脱した。中国はTPPに参加していない。

TPPの協議の課題の一つは、米国のTPP参加で大きな恩恵を受けるはずだったベトナムとマレーシアを離脱させないことだ。マレーシアのムスタパ貿易産業相は米国抜きで協議を進めるのであれば、いくらかの再交渉が必要だと話す。ベトナムの当局者も同じような見解を示している。

ムスタパ氏は、米国がいつかTPPに復帰するとの楽観的な見方があると述べ、TPP以外の課題でトランプ米大統領が政策姿勢を変えつつある様子がうかがえると指摘した。中国に対する態度を軟化させていることを例に挙げた。

ただ、直近では米政権にとっては北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉の方が優先度が高い。

ムスタパ氏は、TPPの先行き不透明感を踏まえると、マレーシアにとってRCEPが優先すべき課題だと述べた。