本田圭佑はレバンテに移籍するべき、Jリーグに戻るのはまだ早い

2017/5/16
NewsPicksは、J-WAVE「STEP ONE」(毎週月~木 9:00~13:00)と連携した企画「PICK ONE」(毎週月~木 11:10~11:20)をスタートしました。
16日は、ジャーナリストのフローラン・ダバディさんが出演。「なぜ本田圭佑はレバンテに求められるのか?スペイン人記者が語る獲得希望の根拠」(Goal.com)を題材に、本田圭佑選手の今後について解説しました。

本田圭佑の“選択肢”

サッシャ 今日は、「なぜ本田圭佑はレバンテに求められるのか?スペイン人記者が語る獲得希望の根拠」というトピックにフォーカスです。 
寺岡 解説してくださるのはNewsPicksの公式コメンテーター「プロピッカー」のフローラン・ダバディさんです。
ダバディさんといえば、99年から2002年までサッカー日本代表のトルシエ元監督の通訳兼アシスタントをされていたことで知られています。
現在はスポーツ番組のナビゲーターや、在フランス日本大使館のスポーツ・文化イベントの制作などに携わっています。おはようございます。
ダバディ おはようございます。
サッシャ 今日はサッカーの話題ですけれど、このニュースをピックしたのはなぜですか?
ダバディ やっぱり、来年のサッカー「FIFAワールドカップ」で日本代表のハリルホジッチ監督が本田選手を選ぶかどうかは、みんなの居酒屋談義で盛り上がっていますし、本田選手本人も危機感を持っていると思うんです。
現在30歳で、ACミランでもほぼ出場できていません。これからJリーグに戻るのか、小さなクラブに行くのか、思い切ってアメリカに行くのか。
サッシャ 噂のレベルも含めると、選択肢としてはJリーグに行く、アメリカのシアトル・サウンダースに行く、そしてスペインのレバンテなどがあります。
ダバディ そうですね。いまのところ、シアトルはほぼなくなりました。
レバンテは、いまリーガ・エスパニョーラ2部の1位チームで、来期は1部への昇格が決まっています。
このなかでは、「本田が欲しい」と情熱的に手を挙げるクラブに行った方がいいと思います。彼の年齢から言っても、ぜいたくを言っていられない
試合勘は、なかなか取り戻せるものではないからです。
サッシャ 試合に出ていないと、代表でもパフォーマンスが発揮できないことになりますよね。
ダバディ そうですね。代表でも10~15分の出場ですから、まずはリハビリに近いことが必要です。
ワールドカップの本番まで時間がないので、それをスピードアップするためには、必ず試合に出られるクラブに入らなければいけない。
そして心が躍るというか、幸せを感じられるベストな環境があってようやく間に合うと思います。
ただ、悲観する必要はないですが、本当のところは「間に合わないだろう」「正直厳しい」と言われています。
サッシャ ワールドカップまでに、試合勘のリハビリが完了できないんじゃないかということですね。
ダバディ 彼は素晴らしいプレイヤーでありファイターであり、日本有数のメンタルを持っています。彼ならできるけれど、同時にそれは“偉業”であるということは、はっきり言わなければいけません。

レバンテに行くべき理由

サッシャ そうなると、本田選手はどういう選択肢を取ればいいと思いますか。
ダバディ その点で、スペインのレバンテというチームは、過去にもアップダウンを繰り返したり、スランプに陥ったりした選手にセカンドチャンスを与えて、復活させた例があるクラブです。
レバンテから本物のオファーがあったならば、本田選手は自分のビジネスやイメージ、日本でどう思われるかを考えずに、迷わず行くべきだと思います。
もつれるとオプションが出てこなくなるので、出来るだけ早めに。それに関しては、日本のサッカーファンの理解は得ていると思います。
また、私は日本代表のスタッフとも仲良くしていますが、みんなの願いは彼に「プレイしてほしい」という気持ちだけです。
サッシャ 常に試合に出ていてほしいということですね。
ダバディ ただ、本当に申し訳ないですけれど、Jリーグはまだタイミングが早すぎる。
彼に戻ってもらい「Jリーグのために」という声もありますが、それはJリーグがやるべき仕事です。
彼が客寄せパンダとして戻ってくれば、Jリーグが盛り上がったり、若者たちが彼を見て頑張ったりするとは思うけれど、そのためだけに戻るのはもったいない。
あと、彼は集中しなければいけませんが、日本はメディアのプレッシャーがものすごくあります。出来るだけ遠く小さなところで、サッカーに打ち込める環境のほうがいい。
レバンテはバレンシアから少し離れたところですけれど、いい場所だと思います。
サッシャ レバンテは、過去に長友(佑都)選手を獲得しようとして、うまくいかなかったですけれど、アジア市場を重視しているチームですよね。
ダバディ だから、Win-Winだと思います。いま、リーガのクラブはバルサとレアルのおかげで資金の分配もされていますから、アンビションはあると思います。
まずは1年だけでもレバンテで頑張って、それから後のことを考えればいいと思います。

サッカースタイルに適応できるか

サッシャ ちなみに、リーガのサッカースタイルはどうですか?
ダバディ それは鋭い質問で、日本の選手はリーガが苦手なんです。
サッシャ 乾(貴士)選手は頑張っていますけどね。
ダバディ 乾選手だけが、時間をかけて適応しました。スペインの選手は技術などはもちろんですが、タフで体幹の部分が日本の選手より非常に丈夫です。日本はそこを甘く見ています。
同じようにプレーして、サッカーが好きな国だと思っていますけれど、一枚皮をむくと、スペインの選手はすごいファイターたちです。
ただ、本田選手も同じようにファイターなので、いけるかなと思っています。
サッシャ ほかの日本人選手よりは、フィジカルの面でも希望は持てると。
ダバディ そうですね。また乾選手や柴崎(岳)選手が大変だったなか、少しずつプレータイムをもらっているのも力になるというか、後輩たちにいい意味で負けられないと引っ張られるところはあると思います。
サッシャ スペイン人にもいいイメージがありますよね。
ダバディ まさに、スペインのメディアからの「日本人選手はどうせ通用しないだろう」という考えも、破られたと思います。

今後のチーム編成はどうなるか

サッシャ また、来月の7日にはシリアとの親善試合がありますけれど、ハリルホジッチ監督がどれくらい海外組を呼ぶのかも注目ですね。
ダバディ そうですね。国際試合においては、なかなか国内組の若手を抜擢してタフな試合に出すことはできません。
シリア戦においても、大幅に国内組を重視してつくることは非現実的だと思います。国内組を何人か出すことはあると思いますし、そこで頑張った選手には今後チャンスもあると思いますが。
やはり今後の試合においても本田選手、長友選手、香川(真司)選手などの海外組なしでは難しいと思います。
国内組は9月のサウジアラビア戦の後に合宿をして、一番調子のいい選手を選び、ワールドカップで3~4人を切り札として起用することはあるでしょう。そういうプランですよね。
サッシャ 国内組としては、その少ない椅子を争うことになりますね。
ダバディ そうですね。シリア戦でも、チャンスはあると思います。
サッシャ なるほど。ダバディさん、ありがとうございました。
今後も、日本だけではなく、世界も注目している本田の移籍先について追いかけていきたいと思います。
ダバディ ありがとうございました。
※本記事は、放送の内容を再構成しています。
今回のニュースをはじめとしたダバディさんのコメントは、ぜひ以下からチェックしてみてください。
17日はオイシックスの奥谷孝司さんが出演予定です。こちらもお楽しみください。

【番組概要】放送局: J-WAVE 81.3FM
番組タイトル: PICK ONE
ナビゲーター: サッシャ、寺岡歩美(sugar me)
放送日時: 毎週月~木曜日11:00~11:20(ワイドプログラム『STEP ONE』内)
番組WEBサイトはこちらをご覧ください