freee 減資公告
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私が聞く減資の勘違いあるあるベスト3です。
①業績が悪い、なんかヤバい
②会計上の変動なので実質的には意味がない
③資本を減らすことで現金が増える
今回のfreeeのケースは資本金を1億以下にすることで得られる節税効果が目的でしょう。
前期決算で資本金1億、昨年33.5億円調達して半分の16億が資本金になっていると仮定し(残りは資本準備金)、今回の減資が16億だから再び資本金が1億以下になっていると考えられるので整合します。
大型調達を行う未上場ベンチャー企業で減資はけっこー行われてます。第三者割当増資を行った結果として膨らんだ資本金を減らします。
なぜなら、税法上は、資本金額1千万と1億に大きな壁があるからです(細かいのは3千万、5千万も。会社法上は5億の壁もあります)。1億以下であれば中小企業として多くの優遇策があります。法人税の軽減税率、交際費の損金参入、繰越欠損金の100%控除など。
その中でも、赤字のベンチャー企業に特に大きな影響を与えるのが外形標準課税です。これは税務上赤字であっても課税されるのですが、資本金1億以下であれば課税されません。
今回のケース以外にも、減資の理由は色々あります。先ほど大手企業の方からfreeeの減資の話を振られ、「東芝も減資してたよね。大企業だけじゃなくてベンチャーもロクでもないな」とおっしゃっていました。
しかし、東芝の減資理由とfreeeの減資理由は全然違います。東芝のケースは累損解消を目的としていたのでしょうが、freeeの場合は節税効果目的のはずです。
また、freeeは赤字続きですが、誤解を恐れずにいえばそんなことはどうでもいいのです。もしくは、そんなことは会社も投資家も想定しています。このビジネスのキモは、何よりも導入数とアクティブユーザーでしょう。会計ソフト(またはERP)という極めてLTVが長くスイッチングコストの高い商材を取り扱っており、たとえ今が赤字だろうが一定以上のシェアを抑えれば将来にわたり莫大な利益を生みます。
ベンチャーが全て赤字でもいいというわけではなく、その会社の経営方針やビジネスを踏まえた上で、評価を下すのことが大事と考えます。
*なんか擁護してるみたいですが私はfreeeとは一切取引ありません笑
注目のコメント
村上さんの見方とは違って、前回と今回のは、資本金1億以下にするための減資だと推測します。
ホームページの会社概要の96億は資本準備金「等」を含むとあります。なので、その他資本剰余金を含んでいると思います。決算公告によると昨年6月の資本金+資本剰余金で62億。昨年末に33.5億くらい調達していたはず。とすると、合計額がホームページの情報と整合します。で、昨年末の増資の半分の16.75億くらいが資本金に入っているはずで、今回の減資額ともほぼ一致。昨年6月の資本金が1億円なので、そこに戻したいんじゃないでしょうか。非公開会社なので推測しかできないですが。
佐々木さんは「形式的で非効率なことが大嫌い」なようなので、経営者のポリシーにも一致する、経済合理的な行動ですね。資本金の額って形式的であんまり意味ないと思います(まだまだこだわる人多いですし、政策上の会社規模判定ではよく使われていますが)
ただ、法定実効税率の引き下げの税収の穴埋めは、外形標準の税率引き上げ等で確保したいのが政府の方針だったので、この手の減資は、結構よく使われる手法とはいえ、あんまり目立ってしまうと、外形標準の適用要件の見直しにつながりそう。
ビジネス的には、最近の電話セールスのうるささに辟易としています・・・(笑)減資には色々な目的がありますから一概にネガでもないと思います。
https://announce.freee.co.jp/
↑この公告に記載のBSを見ると、毎年5月に減資しているんですね。
すさまじい額の資金調達をしていますので、昨年6月末時点でこれでも純資産が28億もあります。
0.7億→3億→26億→16億と毎年減資しています。最終的にうまくいけば、スタートアップファイナンスのケーススタディになりそうです。