【実録】日本がすがる「テクノロジー大国」イスラエルの凄み
2017/5/18
ソフトバンクが出資を敢行
「日本はビジネスのため働くが、我々は自分の命を守るために働いています。それが一番の違いです」(イスラエルのサイバー企業幹部)
2017年5月に入り、日本の政府首脳たちは競うかのように、中東の強国、イスラエルへと足を運んでいる。
4月30日に丸川珠代五輪大臣、5月2日に鶴保庸介科学技術大臣、5月3日には世耕弘成経済産業大臣が相次いで、イスラエル政府首脳とそれぞれに会合を持った。安倍晋三首相も首相就任後、ネタニヤフ首相との会談を欠かさず続けている。
なぜ、日本政府の名だたる幹部は、イスラエルへ赴くのか。それは、イスラエルが日本と比べて、いくつかの分野で圧倒的な技術を持っているからだ。
中でも、日本が一番すがるのが、サイバーセキュリティだ。
日本のサイバー防衛が中国、ロシア、北朝鮮など周辺国と比べ、大きく遅れを取っているのは特集でも記した通りだが、2020年に東京五輪を控える中で、日本にとって、この弱点を克服することが不可欠なのだ。
というのも、五輪はハッカーにとっては最大の狙い目のイベントで、ロンドン五輪では2億件のサイバー攻撃があったとされる。現状の日本のサイバー防衛体制では、何か大きなアクシデントが起きてもおかしくはない。
「日本では約8割の企業が、大きなセキュリティの問題を抱えています。そもそも攻撃にあったことにさえ気づいていない例も多い。米国や欧州の事例を見ても、周辺国は常に企業の情報を当然狙っているわけです」
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この連載について
北朝鮮をはじめ、日本を取り巻く「軍事情勢」が緊迫の一途をたどっている。だが、そもそも、北朝鮮の脅威が眼前に迫ってきたのはなぜなのか。そこには、軍事をめぐるテクノロジーの発展と、さらには我々が普段目にすることのない、新たな技術をめぐる戦いが横たわっている。今、技術が「戦争」の形を変えていく中、我々は何を知り、どう行動するべきなのか。新たな軍事の最前線をレポートする。
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