日本郵政 野村不動産を買収へ
コメント
注目のコメント
野村證券にとってほとんどシナジーのない野村不動産保有株式の行方は長年注目されてきましたし、日本郵政の有り余るキャッシュの使い途も様々な憶測を呼んできました。言われてみれば納得の組み合わせという印象です。
特に野村不動産は、PROUDブランドで知られる住宅一辺倒からオフィスや商業へもアセットクラスのラインナップを広げ、最近では10年ものの超大型プロジェクト(ニュー新橋ビルを含む新橋駅前エリア一体の建て替え等)を複数仕込んでいて財閥系に並ぶデベロッパーとなることを目指していました。マーケットの短期的なプレッシャーに晒されることなくじっくりと大型再開発を進めるという意味で、非上場化は悪くない選択肢かもしれません。
郵政にそれがコントロールできるかは別として。。日本郵便の場合、郵便・物流事業は儲かっていなくて、儲けは不動産セグメントが含まれる金融窓口事業です。検討中とされる本買収は、日本郵便のよりコア事業に近いという意味で、物流事業を買収するよりはまだ筋が良いとは思います。日本郵便は、各地の郵便局又はかつての物流拠点で良い土地を保有しています。
あと、日本郵政(日本郵便の親会社)は、現在の収益の柱であるゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を順次売り出して持分比率を引き下げる方針です(選択肢の余地のないそういう決まり)。最後に残るのは日本郵便であるため、日本郵便がスタンドアローンで収益を上げる構造にしないといけない宿命です。トールの減損で国際物流事業の成長はやはり絵に描いた餅。コアコンピタンスのある他の事業で成長を目指さないといけません。
ここまで、日本郵便/日本郵政の事情。
でも、資本市場の投資家/既存株主にとっては、日本郵便がプレミアムを支払って野村不動産を持つ意味はないので(つまり、投資家が、プレミアムを支払うことなく、直接野村不動産の株を市場で買えば良いだけなので)、週明けの株価は厳しそうです