ビジネスと人生で成功するためには、規則正しく何かを続けることが必要不可欠だ。後編も引き続き、成功を収めた経営者たちに、日常的に行っている習慣について聞く。

成功した経営者20人に聞く「人生を拓くシンプルな習慣」(前編)

11. 目標に照らして優先順位をチェックする

「私にはアイデアが山ほどあり、スタッフはそれらのすべてに時間を使えるわけではない。そして、CEOとしての私の発言には、スタッフの仕事の焦点を変える影響力がある。
全体の目標に照らして自分自身をチェックすれば、自分の仕事とチームの進路を保ちつつ、どんな取り組みを追求するのか、どんなミーティングが必要なのか、どうすれば効率的なコミュニケーションをとれるのかといった判断を下すことができる」
──Sailthruのニール・ラスティグCEO。Sailthruは、小売事業者とメディア企業向けのクロスチャンネル体験管理プラットフォーム。

12. 目標を言葉にする

「会社を立ち上げる前の2009年に、車とテレビを手放し、サンフランシスコにあるベッドルーム1室の狭いアパートメントに引っ越した。荷ほどきをしたあと、最初にした仕事は、クローゼットのなかに目標のリストを貼りつけることだった。
今日まで毎朝、シャツのボタンをかけているあいだに、そのリストを声に出して読んでいる。その習慣を続けて、もう7年以上になる。そんなふうに毎日、目標を思い出すことで、人生のなかでも特にやりがいのあるときや困難なときを乗り越えることができる。
この習慣は会社の文化にも影響を与え、前向きな形で変化を生み出しつづけている」
──IFTTTの共同創設者兼CEO、リンデン・ティベッツ。IFTTTは、ユーザーが気に入ったサービスをさまざまに利用できるようにするIoTプラットフォーム。

13. 頭をクリアにする

「毎晩欠かさず、眠る直前に瞑想の時間をとっている。これは、その日1日のストレスを手放すのに役立つ。仕事が気になるあまり、夜中の2時に目を覚ましたりしなくてすむ。
この習慣を守るためには自己規律が必要だが、個人的にも職業的にも、途方もなく大きな見返りが得られる」
──コネクテッドカー技術会社Klashwerksのラッセル・ユアCEO。

14. 測定可能で一貫した量の「中強度の運動を」1日に組み込む

「健康なライフスタイルを送ろうと努力しているが、仕事と2人の子ども、1頭の犬に追われる生活なので、1週間に何度もジムに行く時間はとれない。だから毎朝、自宅から1マイル(約1.6キロ)離れた地下鉄の駅まで歩いている(家からすぐ近いところに別の駅があるのだが)。
この時間を使って、音楽を聴いたり、友人と情報交換したりしていて、これは私には効果がある。自分の時間ができ、それがその日1日の気分を決めてくれる。
車を使っているなら、離れたところに駐車して歩こう。歩数や距離など測定可能な目安を決めよう。一貫した習慣として、1日の一部にしてしまうのだ。天候が妨げにならないように、性能のいいレインコートやスノーブーツをあらかじめ用意しておくことをおすすめする」
──オンライン仕事探しサービスLaddersのマーケティング担当バイスプレジデント、ステファニー・チャン。

15. 好奇心を持つことを許す

「会社を成功させるためには、つねに改革し続けなければならない。
スタートアップの環境は非常に要求が厳しく、私は自分のすべてをチームに捧げていた。クリエイティブな解決策が必要になっても、私はまるで空っぽの容器のような状態だった。
だから、毎日1時間、仕事の範囲外のことに好奇心を持ってもいいという許可を自分に与えた。好奇心は、真のイノベーションの基礎になるものだと思う。だから、読むべきブログや本、記事のリストをつくり、念入りに『知的ダイエット』の計画を立てている。
すべてが計画どおりにいかなかった日には、宇宙の星雲のことを調べて、ダークマターの役割について思いを馳せれば、問題を「宇宙的スケール」で考えるのに役立つ。視点を変え、革新的なソリューションを採り入れて問題を解決することができる」
──Eco Friendly Foods Initiativeの創設者兼エグゼクティブディレクター、カリナ・エイデン。

16. 自分にとっての「Netflixとチョコ」を見つける

「会社のオーナーという立場にいるときには、最適生産性というユニコーンを追い求めるのに夢中になってしまいがちだ。
トップにいると、チームが登るべきすべての『仕事の山』が見える。何度も山岳ガイドの役割を果たすことになるので、そのスイッチを切る方法がわからなくなる。仕事以外の何かをしていると、罪悪感を抱くようになる。
しかしこうした状態は、自分の健康や人間関係に悪影響を与えるだけでなく、全体的な満足感や幸福感も薄めてしまう。
生産性をめぐるハックやヒントは、優れた山岳ガイドになるためにぜひとも学ぶべきものだが、ときには間違いを犯すことを自分に許す必要もある。ほかの人たちにも、急な崖を登る方法を自ら学んでもらうのだ。
最後のメールをなんとか絞り出しているときには、最後に残った自分の喜びや幸福も一緒に絞り出している。そうしたことをわれわれは忘れてしまいがちだ。
自分をこれ以上、生産的にしないような何かを見つけるといい。自分を向上させるために仕事を休もうと言っているわけではない。私が言いたいのは、ときどきは自分に意識を向け、休みをとろうということだ。
私にとっては、Netflixを好きなだけ見て、ピーナッツバターチョコを好きなだけ食べることが、それにあたる。人によっては、スポーツやケールといった、もう少し健康的なものを見つけられるかもしれない。恥知らずなほど満足できるものではなさそうだけれども」
──The Elephant Pantsの共同創設者兼CEO、ネイサン・コールマン。The Elephant Pantsは、象の保護に取り組む慈善団体に売上の一部を寄付するアパレル小売企業。

17. 自分自身の統計を生み出す

「統計は、私にとってそれほど大きな意味を持つものではない。ビジョンを実現するのは、情熱と献身、疲れを知らないハードワークだ。
何かに挑戦するときには、望ましい統計の数字ではなく、そのビジョンに対してどれほど情熱を抱いているか、それを実現するためにどれほど献身的になれるかを判断材料にしている。ビジョンを描く人たちは独自の統計を生み出し、その多くは先例のないものだ」
──女性向け衣料、靴、ハンドバッグ、アクセサリーの小売企業Cop Copine U.S.の業務執行取締役兼CEO、リリー・モサデク。

18. 毎朝、自転車で通勤する

「(自転車で通勤すると)頭をすっきりさせて、身体を目覚めさせる時間ができるので、リフレッシュした準備万端な気分でオフィスに到着できる。
暑い日には、電気自転車に頼って、汗をかかずにマンハッタンを横断している。天候が思わしくないときには、フェンダーとレインコートで濡れないようにしている。実は地下鉄や配車サービスよりも速いので、時間の節約にもなる。これはおまけのボーナスだ」
──マーケター向けライフサイクルエンゲージメントプラットフォームAppboyの共同創設者兼CEO、ビル・マグナソン。

19. エレクトロニック・ダンスミュージックを聴く

「毎日が最終決戦みたいなものだ……だから、正気を保っておかなくてはいけない。私は毎朝起きると、同じルーチンに従って行動する。1杯のコーヒーのあと、ジョギングしながら、ビジネスか文化に関するオーディオブックを聴き、仕事へ向かう。
通勤中の車のなかでは、エレクトロニック・ダンスミュージック(EDM)を聴く。EDMの延々と繰り返される大音量のビートを聴いていると、すごく集中できる。世界征服、あるいは業界征服の策略を描けるんだ」
──デジタル写真印刷会社Nations Photo Labの社長兼オーナー、ライアン・ミルマン。

20. 分割して乗り越える

「あらゆるものを、20分で対処できるタスクに分割する。大きいプロジェクトが差し迫っているときには、必ず部分部分に分解する方法を探すようにしている。そうすれば、もろもろのするべきことに圧倒されてぐずぐずと先延ばしにしたりせずに、プロジェクトに取り組むことができる」
──Cycle Technologiesの創設者、レスリー・ヘイヤー。CycleBeads、TwoDay Method、Dotといったリプロダクティブヘルスや家族計画に関するソリューションの製作者でもある。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Christina DesMarais/Contributor, Inc.com、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:YakubovAlim/iStock)
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This article was produced in conjuction with IBM.