米Vector Space、超小型ロケット試験機の打ち上げに成功
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小型衛星打ち上げ用ロケットはそれはそれで色々と要件が厳しいです。この会社は我々ISTの完全なライバルですが、切磋琢磨して価格競争していければいいと思っています。とりあえずは難産だったサブオービタル機がもうすぐ打ち上がります!
アツい!!!!
現在の超小型衛星の打ち上げは1)ピギーバック(大型衛星にあいのり)、2)ISSからの放出、3)多数同時打ち上げのどれか。コストは安いが、これでは軌道を自由に選べず、超小型衛星の真価を発揮できない。特に軌道への要求がきつい科学衛星はそう。
だからこそ個々の超小型衛星を望む軌道に投入できる超小型ロケットは切望されている技術。それがいよいよ実現する。打ち上げコストが1億円代と、まだちょっと高いけど、もう一桁下がれば、大学の研究室が科研費で(教育目的でなく)研究目的で独自の衛星を持つ、なんてこともできるレベルになる。コストが二桁さがれば、学生が自分の衛星をもって好きな観測や実験をして論文を書く、なんてこともできる。そうなってこそ超小型衛星の真価がはじめてフルに発揮される。
SpaceXは大型化に突き進んでるけど、小型化へ向かうのももう一つの有望な方向。Vectorはペイロード100kgクラスを狙ってるようだけど、10kgクラスでも需要があると思う。
にしても、つくづく1月のSS520の失敗が悔やまれる。ぜひJAXAは再挑戦してほしい。開発競争真っ盛りですが,JAXAのSS-520の1月の失敗が惜しかった.
今回,記事になっているVector Sapceの打ち上げ試験は,最高高度1370mで「どちらかというと宣伝の意味合いが強かったと考えられる」とある.
であるなら,同規模のロケットではSS-520はすでに周回軌道に到達する能力があるので,SS-520が一番リードしているように見えます.年度内に再チャレンジすると発表されていますので期待大.
打ち上げコストですが,現状で低軌道に100万円/Kg程度.打ち上げ需要が一気に増加するのは,現在のコストに比べ,1/10,およそ10万円/kgを割り込んだときと言われています.ここにロケット開発史上,超えるに越えられない「死の谷」があります.
【追記】 小型化のネックはどこか?という質問に対して.
例えば,ロケットの大きさを1/2にしたいと思います.当然,大きさの2乗3乗則で,全構成部品を大きさ1/2にできれば,重量は1/8になります.中に詰める推進薬も1/8,衛星も1/8でめでたし,めでたしのように見えますが,小型化できないものもあります.ロケットエンジンの基本原理は大きくても小さくても同じ.つまりエンジンにかかる圧力は大きさによって変わらない.だから,エンジンを構成する部品は一律1/8にできない.また,ロケットにかかる力は面積で効いてくるので1/4程度で,ロケットの構造重量も1/8にはできない.搭載する電子部品も小さく,軽くするに限界がある.以上より,1/2ロケットの全構成部品の重さを足し合わせていくと,重量は1/8にはならず,その重さから地球周回速度に到達するまで加速できない(かもしれない).小型化に限界があります.