2017年、ビジネス目的利用は4倍に

サンフランシスコを拠点とするAirbnbは2008年の創業以来、ユニークで安価な宿泊場所を求める冒険好きな旅行者たちにサービスを売り込んできた。だがこれからは、ビジネス旅行者を対象としたサービスを拡大する。
Airbnbは、ビジネス旅行者向けの検索ツールを導入する計画だ。Airbnbが「出張対応」と認めた家やアパートを、ビジネス旅行者が検索できるようになる。
同社の説明によれば、「出張対応」と認定されるためには、ノートパソコン使用に適した仕事スペース、ワイヤレスインターネット接続、ドアマンやデジタルロックによるセルフチェックインのほか、シャンプーやドライヤー、アイロンといったホテルが提供するような各種アメニティを備えていることが必須条件となる。
Airbnbによると、同社顧客の90%は娯楽目的の旅行者だ。昨年はロンドンでの帽子づくり体験やロサンゼルスでのオフロードバイク周遊といった観光サービスを追加し、コアビジネスから最大限の利益を引き出そうと試みている。
その一方で、企業の出張費についても大きなビジネスチャンスと捉えている。業界団体「グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)」によれば、アメリカのビジネス旅行支出は2017年末までに2960億ドルに達し、2018年には5.2%増加するという。
Airbnbのビジネス旅行部門を率いるデイビッド・ホリヨークによれば、ビジネス目的でAirbnbを利用する人の数は2016年に3倍に増加し、2017年には4倍になると見込まれるという。

アルファベットなど25万社が利用

現時点でアルファベットやドミノ・ピザ、モルガン・スタンレーをはじめ、25万社を超える企業がAirbnbを利用している。2015年には、ビジネス旅行の予約や管理に関して250の企業がAirbnbと契約した。
若いビジネスパーソンは仕事と娯楽に明確な線を引かない傾向があり、Airbnbはそれを活用して利益を得たいと考えている。同社によれば、ビジネス目的でAirbnbを利用する人の半数は、土曜の夜まで予約を延長するという。
「ミレニアル世代が職場で出世するのに伴い、売上が非常に成長している」とホリヨークは言う。「そうした若いビジネスパーソンが求めているのは、旅先で自宅のようにくつろぐことだ」
Airbnbは3月に最新の資金調達ラウンドを終えた。ブルームバーグの報道によれば、評価額は310億ドルに達し、ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスやハイアット・ホテルズ、ウィンダム・ワールドワイドといった大手ホテル企業を上回った。
Airbnbがそうした大手ホテル企業相手にリードを保ち続けるためには、飛行機で各地を飛び回るビジネス旅行者をはじめとする、より実入りのいい旅行者を引きつける必要があるだろう。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Olivia Zaleski記者、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:GoodLifeStudio/iStock)
©2017 Bloomberg News
This article was produced in conjuction with IBM.