残業規制で4割が支障、働き方改革5割が費用増
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残業規制は、パフォーマンスの低い社員にとって厳しい施策だと思っています。
これまで、仕事の単位時間の生産性が低い社員は残業をし、労働時間を長くすることで自身の能力不足分を埋め合わせてきました。
しかし、残業規制が導入されることにより、時間による埋め合わせができなくなり、能力の差がより鮮明になり、パフォーマンスの二極化が進んでいくと思います。
また、雇う側としては、決められた時間内で一定の成果を出せない人は雇えないので、より能力の高い人だけ採用するという形になります。
こういった施策は、一見「弱きを救う施策」に見えますが、現実は「弱きをより弱き」にする可能性があります。年間720時間の上限からたった一人の社員でも、一時間でもはみ出したら、罰則というのが今回の法改正。
この720時間の残業上限で業務に支障がでる企業が4割ということは、日本は本当に社員の長時間労働に依存したビジネスモデルが多いとういことです。私が「100時間や個人の時短術ではなく、企業の覚悟を問う取材をしてほしい」とお願いしていたら、ロイターが早速こんな調査をしてくれました。7割の企業が「IT投資や業務効率の改善」などの生産性の向上に取り組むつもりと回答しています。ほかのマスコミも是非お願いします。「労使が結ぶ繁忙期の上限を何時間にするつもりかの調査」もぜひお願いしたい。マクロ的に見ても、サプライサイドから見れば労働投入量の減少につながりますし、ディマンドサイドから見れば残業代減に伴う支出減につながります。一方で、資本投入は増えるかもしれませんが、全要素生産性もそんな急には上げられませんから、マクロ的な悪影響は避けられないでしょう。