5年前にFacebookがInstagramを10億ドルで買収したことがもたらした「価値」とは?
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確かに企業価値としても恐らく今や50倍以上のリターンになっているだろうけど、それ以上に文化を壊さずうまく融合してくれるというイメージが出来て、その後のワッツアップなどの買収に繋がったことの効果も途轍もなく大きい。買収当時は売上ゼロの10人そこそこの会社を10億ドルで買収なんて狂気の沙汰というのが一致した声だったけど、フェイスブックの経営戦略の隙のなさは凄い
Facebook社がInstagramをあの段階で買収していなければ、最悪Facebookは今ごろ既に存在していなかったかも知れないですね。経営判断の天才であるザッカーバーグなら、SNSではない他の領域に主事業をピボットしていた可能性もあります。それくらい、陳腐化して中年向けSNSとなったFacebookからの離脱を食い止め、Facebook経済圏の中に多数のユーザーを維持するための一手として、Instagram買収は完璧な戦略でした。
SNSには、5年前後という寿命があります。これは簡単に言えば、日々の投稿を続けるモチベーションが保てるか、また卒業や就職や結婚などライフステージが変わる時に、最新の自分の情報を数年前のSNSでも更新するかどうか、という話。今、自分が転職したことをmixiで報告する人はほとんどいないし、日々のランチや旅行の写真も上げないでしょう。理由は、別の場所にみんなが移ってしまっているから。
TwitterやLINEも可能性のあるベンチャーの新サービスをどんどん買収していかないとジリ貧ですね。
【追記】
Instagramの広告が、ビジネス的にどれだけ良く出来ているか、説明を追加しておきます。Instagramユーザーの大半は、実名ではなくハンドルネームで参加しています。しかし、一度でもFacebookアカウントと連携したら、年齢・性別・地域から職業や学歴・結婚歴まで、あらゆる属性が紐付けられます。さらに、いいね!ボタンが置かれたあらゆるWebサイトの閲覧履歴まで、把握されます。Instagramの広告は一見デザイン重視、ブランディング重視に思われがちですが、そのような細かいターゲティングをしつつ出稿されているわけです。ハンドルネームで使っていても、実名と紐付けられ、デモグラ属性や行動履歴が完璧に把握されてしまう……Instagramもまた完全にFacebook経済圏の中なんですよね。13名の社員が働くInstagramを10億ドル。企業価値をどう見るかはセンスとストーリーが必要であることを証明したM&Aだったわけですね。
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Instagram買収の「真の価値」は、「世界で最高の人材が、ザッカーバーグ氏のチームに加わりたいと強く願うようになったこと」である