【石川善樹】集中したいなら、今すぐニューズピックスを閉じろ

2017/5/9

ドラッカーはヤバい

──今回は石川さんに、「集中力」についてご意見を伺います。
はい、よろしくお願いいたします。それにしてもどうして、私なのでしょうか?
おー、それはありがとうございます。
石川善樹(いしかわ・よしき)/予防医学研究者、医学博士
1981年、広島県生まれ。Campus for Hの共同創業者。東京大学医学部健康科学科卒業、米国ハーバード大学公衆衛生大学院修了後、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして、企業や大学と学際的研究を行う。専門は予防医学、行動科学、計算創造学など。著書に『仕事はうかつに始めるな』『疲れない脳を作る生活習慣』『ノーリバウンド・ダイエット』などがある。
──どうして「集中力」の本を書こうと思われたのですか?
うーん、そうですね……思い返してみると数年前のことでしょうか。友人の編集者・加藤貞顕さんに「ドラッカーのこの本はヤバいですよ!」と紹介されたのがきっかけですかね。
──ドラッカーの本ですか。
はい、『プロフェッショナルの条件 ― いかに成果をあげ、成長するか ―』という本です。あまりに名著すぎて、いくつかの言葉は暗唱できるくらい読み込みました。
──たとえば、どんな言葉ですか?
たとえば、今回のテーマである「集中」について、ドラッカーは次のように述べています。
「集中とは何か? それは真に意味あることは何か、もっとも重要なことは何か、という観点から時間と仕事について自ら意思決定する勇気のことである」
──たしかに、すごい言葉ですね。
はい、とても深い言葉です。ちょうど当時の私は、「あー、今日も打ち合わせばかりで、何もできなかった……」とひどく落ち込む日が続いていたので、とても心に刺さりました。
──どう刺さったのですが?
目先の小事に流される自分を、本当に反省しましたね。大事なことは何なのか。それが明らかになれば、小事は切り捨てなければならないし、また切り捨てる勇気を持とう、と思えました。
ちなみにあんまり深く刺さったので、この言葉は私のオフィスの壁に貼ってあります(笑)。
──わざわざ貼っているんですか!
はい。「集中」に関するものだと……すごい気に入っている言葉がこれです。