サイコパスには「自分と付き合うメリット」を提示せよ
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今から8年ほど前にとあるNPOの代表とゆっくりお話しする機会がありました。その方は大学生の時に発展途上国に初めて足を伸ばし、そこで子どもたちの困窮した姿を目にし、いてもたってもいられなくなり、家族をはじめ周囲の大反対を押し切って現地に移住し、支援活動を始めた極めて共感性の高い心の持ち主です。ただお会いした時は表情は笑顔、けれどあまりに冷たい目をする、そんな印象を抱きました。不思議に思って「なぜあなたのような優しい方がそんなに冷たい目をしているのですか?」と今思えば大変失礼な質問を率直にしました。ただ、そこで返ってきた言葉が今も印象に残っています。
「現地の生活は毎日が悲しい光景の連続。道で子どもたちの遺体が転がってることも珍しくない。子どもたちの人身売買も当たり前。奴隷としてあらゆる虐待を受けるのは日常茶飯事。昔はそれに一喜一憂してきた。ただ今はそれらの光景を目にしても感情が必要以上に起伏することは少なくなった。なぜならそれらに向き合いすぎると自分が崩れて立ち上がれなくなってしまうから」
つまり誰よりも優しかったから、共感性が高かったからこそ、壊れてしまいそうな自分の心を守るために一部の感情を閉じざるを得なかったわけです。
経営者にサイコパスが多いと以前の記事に書いてありましたが、上に行けば行くほど理解者は減り、孤独は増すと聞きます。時に根も葉もない噂を立てられたり、誤った解釈で非難されたりもします。全ての人を納得などさせることなどできやしないから、どこかに必ずしこりが発生する、それがわかっているけど、決断をせずに問題を先送りにし、傷口に絆創膏を貼るようなことを繰り返していては、どんどん悪化してしまう、目指す世界が遠のいてしまうから、悲しませてしまう人の顔を浮かべながらも意思決定をする、そんな日々の連続です。このようなプロセスの中でアンコントローラブルのものや、トレードオフの関係にあるようなどうしようもないものについて必要以上に嘆いたりしなくなる「開き直る力」が高くなっていく、そんな感覚が実態のように思います。中野さんもたくさんの方を見られてきたのでしょうし、もしかしたら私は極めてマイノリティーな例をあげてしまっているのかもしれませんが、少なくとも僕が知る活躍している一見サイコパスに見える先輩方は本当は心の優しい共感性の高い方が多いです。3回の連載に興味はありつつもずっとモヤモヤ感が付きまとったのは、やはり「サイコパス」という呼称がドぎつすぎるからなのでしょう。キャッチーな呼称で世間受けしそうなのもまずい。素人にはどこまでが実証された話なのかも、少々分かりづらかったです。
著者が意図せずとも、人格の一面を切り取って都合の悪い相手を誰でも「サイコパス」とラベリングできてしまうのではないでしょうか。厳密な概念として確立していないから、なおさらそうしたラベル貼りも容易にできることでしょう。群盲象を評すの世界。
これじゃ魔女狩りですし、そこに強烈な権威主義を感じてしまいます。「不都合な真実」を突きつけられた居心地の悪さであれば受け容れざるを得ませんが、そうではなく、用語の恣意性に対する不安感を覚えます。「サイコパス」がかつての「バカの壁」のような流行語になったら嫌だな。
科学的な知見に裏打ちされた解説なのだと思いますし、興味深く首肯する部分も多々あります。ですが、センシティブな内容であることを鑑みれば、あまり大衆迎合的に打ち出さない方が良いのではないでしょうか。マーケティング的な要請を気にしなければ、あまり過激な呼称を付けずとも良いでしょうし。純粋な脳科学の部分についてはいつも大変勉強させていただいてるのですが、それ以外の部分は3日間にわたり抵抗的なコメントを残し続けています(笑)
先天的要素もあるでしょうが、後天的に身につけた様々な「仮面」もあるでしょう。
純粋な疑問なんですが、サイコパスって言われて嬉しい人っているんでしょうか?
アニメもありますし、KYみたいな感じで市民権を得てきてプラスの意味でも使われるようになってきたんでしょうか?
「サイコパス」でグーグル検索すると「精神病質」とまずは出てきます。例えば「小橋ってサイコパスだよね」と言われても「あーそういう側面もあるかもね」と軽く受け流すでしょうが、私はまだ正直あまり良い気はしません。
よく分からないものにラベルを付けたがる心理は分かりますが、サイコパスという言葉が不当な差別助長にならないことを祈るばかりです。
血液型診断のように、「娯楽」レベルで落ち着けば良いのですが(とはいえ例えばB型の扱いに真剣に苦しんでいる人もいるかもしれませんけど)。。
そういった意味では将来的には「かーちーぐーみっサイコパス♪」と真夏のSounds good!みたいなノリで秋元系アイドルがゴールデン帯で普通に歌ってる、みたいな世界の方がまだ健全なのかもしれませんね(笑)