ＥＣＢ、政策方針の堅持求める声相次ぐ インフレ持続性に不安

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注目のコメント

• 井上 哲也

  野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部　シニア研究員

  ・2017年03月31日

  ECBが金融緩和の見直しに際して注目しているのは、日銀と同じく「基調的インフレ」です。このため、headlineのインフレ率が原油価格の水準効果の剥落によって高まっても、例えばサービス価格のインフレ率が１%そこそこでは、時期尚早ということになります。
  
  加えて、ユーロ圏主要国の選挙結果に不透明性が高まっている現状を踏まえれば、金融市場に「余計な」volatilityを加えることは決して得策ではありません。
  
  このため、域内国の中央銀行総裁も、少なくとも当面は意見の違いを余り顕在化させず、いわば「休戦」することに合理性があるように思います
  
  しかし、各国間の意見対立の背景にある経済構造の違いが、短期間で変わることはないので、一連の政治イベントが終われば再び「開戦」となりそうです。