【楠木建×出口治明】教養がなければ「奴隷」になる

2017/4/1
NewsPicksでは4月より、オリジナル書籍レーベル「NewsPicks Book」を始動。その1冊目は、哲学、歴史、経営、数学など各分野のエキスパートが必読の教養書を紹介する『リーダーの教養書』だ。本書の冒頭では学術分野、ビジネス分野の「教養人代表」とも言える楠木建氏と出口治明氏が、今のビジネスパーソンに求められる教養の具体像について語り合う。今回、その一部を抜粋して掲載する。

教養は「自由の技術」

楠木 ビジネスリーダーになぜ教養が必要か、というテーマで対談の機会をいただきました。まず、教養とは何かについて、僕なりの理解をお話しさせてください。
「教養」という言葉は、例によって明治期に翻訳されて定着した日本語ですが、もともとは「リベラルアーツ」ですね。直訳すれば「自由の技術」。
「自由の技術」というのは「機械的な技術」と対になる概念ですね。何らかの目的があって、それをうまく達成する方法が機械的な技術。これに対して、教養は自由な市民として持つべきアート。技術と言うより「技芸」というイメージです。