さまざまな中小企業がWebマーケティングを通じて顧客獲得を最大化する――。そんな世界観を実現させているのが、リクルートコミュニケーションズ(以下:RCO)だ。リクルートグループの機能会社という立ち位置で、各メディアを運営する事業会社を横断し、その先にいるクライアントにデジタルマーケティング等の機能を開発・提供している。その企画を生み出すITプランナーについて、シニアプロダクトマネージャーの金田將吾氏とアドテクノロジー開発部長の大石壮吾氏にお話を伺った。
全国の事業者を支える「頭脳」
――前回の記事で金田様にRCOについてお話を伺いましたが、あらためて事業の特長について簡単にお話しいただけますか?
金田 リクルートには、SUUMOやじゃらん、ゼクシィなど、人のライフスタイルに関わるあらゆる領域のメディアを運営する事業会社が複数あります。そして、その先には各メディアをご活用いただいているクライアントが日本中に何十万社といます。
我々RCOはリクルートグループの「機能会社」という立ち位置で、メディアとは違う切り口から、膨大な数のクライアントに対して、価値ある機能を提供することで貢献している会社です。
たとえば、飲食店や不動産会社が集客するためにWebマーケティングを利用したいと思っても、リソースの問題でできない、そもそもスキルが無いから分からないという場面は多々あると思います。
しかし、そういった個社が抱える課題をメディアで解決しようとしても難しい。それを解決しているのがRCOです。
どの領域のクライアントも抱えている課題に共通点は多くあります。飲食業でも旅行業でも製造業でも簡単に使えて効果を最大化するソリューションを形にし、提供する。日本全国の事業者が抱える課題解決によって、社会問題を解決し、日本全体の底上げを目指す。その企画を考えているのがITプランナーです。
大石 RCOはICTソリューション局と制作、マーケティングの組織から成り、全体で900人くらいの従業員がいます。そのうち、ICTソリューション局に在籍しているのは約100名で、内約50名が日本トップクラスのエンジニア。
彼らとタッグを組んでプロダクト開発をリードするのがITプランナーですね。
ICTソリューション局 アドテクノロジーサービス開発部 部長 大石壮吾(おおいしそうご)
2001年、リクルートグループにエンジニアとして入社。情報誌の仕組み作りやWebサービスの開発を手掛け、2011年よりデジタルマーケティングやアドテクノロジー開発に従事。現在は、RCOのITソリューション局の部長としてエンジニア組織を束ねている。
金田 そうですね。ITプランナーは現在約15名。リクルートグループの規模を考えると、かなりの少数精鋭です。RCOを支える「頭脳」と言ってもいいかもしれません。
5%の壁を突破したエンジニアとタッグを組める
――他社でITソリューションやプロダクトを企画することとの違いは何でしょうか。
金田 大きく2つあって、1つは国内トップクラスのエンジニアとタッグを組めること、も1つはひとつの事業領域にコミットした組織ではないことだと思います。
まず1つ目に関しては、前回の記事でもお話ししましたが、Webマーケティングを自動化したプロダクトはエンジニアが優秀だからこそできたもの。どの領域の事業者でも安価で簡単に使え、売上に貢献するプロダクトです。
大石 Webマーケティング自動化プロジェクトは、いろいろな意味でやりがいがありました(笑)。アカウント作成から運用までほぼ自動化したツールの開発は、複数のマーケティングプラットフォームを抽象化しないと自動化できないなど、技術的に難しいものでした。
世の中的には「うまくいかないだろう」と言われていたものの、最後はエンジニアの力を信じて実現させ、現在は継続的に機能を拡張しています。
というのも、入社時のコーディング試験を突破できるエンジニアは、年間でわずか5%程度しかいません。採用しているのは、世界トップクラスのエンジニアが集まるようなグローバル企業からオファーが届くような人材。
バックグランドはコンピュータサイエンス、物理学、統計学などさまざまです。巨大かつ複雑なシステムを少数で開発、運用していたり、プログラミングの傍ら学会で論文を発表したり、競技プログラミングの世界ランカーであったり。
エンジニアらしい専門性を持った人が多く在籍していますね。
金田 エンジニアの能力が高いので、それぞれの専門性を活かして難しいプロダクトにもトライできるのはRCOならではかもしれません。ITプランナーにとって、エンジニアが優秀だからこそ、自分のアイデアを短期間かつ少額の投資で実現できるというのは、極めてエキサイティングです。
それに、詳細の設計まで資料に落とし込まなくても、エンジニアとホワイトボードに向かってディスカッションするだけで、開発が始まるというものがほとんど。小規模なものなら翌日には、中規模でも数日後にはできていることが多いです。
もちろん半年かけるプロジェクトもありますが、柔軟にスピーディーに形にできる土壌があるので、逆にプランナーはエンジニアを唸らせるような「つくりたい」企画をいかに提案できるかが肝になります。
リクルートコミュニケーションズ 金田將吾
2004年、新卒でリクルートメディアコミュニケーションズ(現リクルートコミュニケーションズ)に入社。営業と制作ディレクター経験を経て、システム開発部に異動。スーモの立ち上げやゼクシィなどの各メディアを経験し、現在はプロダクトマネージャーとしてデジタルマーケティングの領域でプロダクト開発の指揮を執っている。
あらゆる領域の事業会社を横断
金田 そして2つ目について。もし我々が事業会社の一部門として存在した場合、クライアントの課題や社会課題を解決するソリューションを企画する前に、メディアや自社の業績に寄与する企画を考えるのが当然になります。
だけど、我々は多岐にわたる事業会社を横断する組織だからこそ、一歩引いた視点で物事を考えらえるし、社会全体への価値をターゲットとしたプロダクトを生み出せる。
しかも、良いアイデアには会社がしっかりと投資してくれますし、良いプロダクトができあがれば、各事業会社の日本全国にいる営業がそれぞれのクライアントに提案してくれます。
正直、これだけの人や販路、投資という贅沢なリソースがある環境で先進的なプロダクト開発ができる会社は、他にないと思います。
大石 それもあって、独立したけど戻ってくる人もいますよね。やりたいことを実現させるにはお金も時間もかかり、リソースの問題で諦めることもあるでしょう。だけど、RCOならチャレンジできる。
人には寿命があるのだから、やりたいことがあるのに挑戦できない環境にいるのは、もったいないと思います。
テクノロジーで社会を変える
――ITプランナーに必要なスキルは何でしょうか?
金田 まず、スタンスで言えばテクノロジーが好きであること。テクノロジーを使って「世の中にまだない何かを仕掛けたい」「社会課題を解決したい」と思っていることが大切です。
スキルとしては、ある程度プログラミングを経験している方がいいですね。データを触ったことがある、統計の知識があるなどの人は、それを活かして活躍いただけます。
大石 グループ会社に開発したプロダクトを広めるために、コミュニケーション能力もあったほうがいいですね。エンジニアと組んで開発したモノを正しく魅力的に伝えて欲しいです。
それから、RCOは実現する人材が揃っているので、すぐにチャレンジしやすい。実現スピードが早く、失敗経験を積みながら大きな成功の道を開拓できるのは魅力です。
実際、さまざまなフェーズや局面を楽しみながら実行している人が多くいます。
金田 そうですね。「仕事が楽しいことが大事」みたいな仕事人間が多いかもしれません。各事業会社やステークホルダー、外部のカンファレンスやセミナーなどから情報を仕入れたり、新しいパートナーを開拓したり。だから仕事を生み出したい人にはおもしろい環境だと思います。
イメージは「自分株式会社」。オーナーシップを持って、社会にインパクトを与えたいと考える人が集まっています。
大石 テクノロジーを駆使したプロダクトをつくり、全国のクライアントに提供する時点で社会に与えるインパクトは大きいですからね。
――新しい仲間を加えて、RCOは今後どう進化したいとお考えでしょうか。
金田 私は「人間はもっとクリエイティブに生きるべき。世の中の面倒くさいことをゼロにしちゃえばいいじゃん。」と思っているので、同じように思う人にジョインしてもらい、社会を変えるような企画を形にしていきたいです。
大石 私は管理職の立場ですが、マネジメントがAIに替わるならそれでいいと思うんです。それによって、大きく世の中の考え方や仕組みが変わることに意味がある。とにかく社会課題を解決できるプロダクト企画をエンジニアにたくさんぶつけてほしい。
エンジニアたちは、そういうワクワクする企画を心待ちにしています。実現不可能に思われるような難しいモノでもトライしたいし、実現できると思っています。
テクノロジーで社会を変えたい、アイデアはたくさん浮かぶのに実現できる仲間がいないという人は、ぜひ人生を一度僕らに預けてもらいたい。僕らと一緒に実現させましょう。
金田 かっこいいこと言いますね! 仕事が楽しいと人生は楽しい。人生を変えるほどの楽しい仕事、RCOで手に入れてください。
(取材・文:田村朋美、写真:須田卓馬)