現地移住から3年。イスラエル企業に見た「圧倒的な実力」

2017/3/20
独自の視点と卓越した才能を持ち、さまざまな分野の最前線で活躍するトップランナーたちが、時代を切り取るテーマについて見解を述べる連載「イノベーターズ・トーク」。
第72回は日本のインキュベーター(起業家の支援を行う事業者)の草分け、サムライインキュベートの榊原健太郎代表が登場する。
榊原氏は2008年に同社を設立。昭和の漫画家たちが切磋琢磨しながら腕を磨き上げた「トキワ荘」をヒントに、起業家たちが寝食を共にしながら事業活動を行うシェアオフィス「サムライハウス」を設け、資金・人脈・設備などさまざまな角度から起業家をサポートする。
2014年5月には、イスラエルの中心都市・テルアビブに移住。「Samurai House in Israel」を設立し、日本企業に興味を示すイスラエル企業と、イスラエルへの進出を試みる日本企業の橋渡しを行っている。
日本では馴染みが薄いが、世界的に見れば、イスラエルは米シリコンバレーと並び立つ「スタートアップの聖地」だ。人口1人あたりのベンチャー投資額は圧倒的に世界1位で、グーグルやアップルをはじめとするグローバルIT企業がR&D(研究・開発)拠点を設置する。
常に周辺諸国と緊張関係にあることから関連技術が発達し、特にセキュリティ、データ解析、自動運転、農業などの分野では世界最先端の技術が蓄積されていると言われる。
そんなイスラエルに可能性を感じ、人脈がほぼゼロの状態から現地でインキュベーターの仕事を始めた榊原氏。移住から3年弱が経過したいま、現地でつかんだ手応えと直面する課題について聞いた。