調達資金2500万ドルは国際的な事業拡大に

アルファベットのベンチャー・キャピタル部門GV(旧グーグル・ベンチャーズ)が、モバイルアプリを用いた国際決済サービスのスタートアップ、英カレンシークラウドに対する2500万ドルの投資をリードした。
カレンシークラウドが3月9日に発表したところによると、同社は携帯電話を利用した送金が増えていることを踏まえて、今回の調達資金を米国をはじめとする国際的な事業拡大に充てるという。
サンフランシスコに拠点を置く競合のストライプと同様、カレンシークラウドは銀行やアプリで国際決済ができるようにする技術インフラを提供している。
2012年に設立されたカレンシークラウドの顧客には、外貨両替のトラベレックス(Travelex)や電子商取引のクラーナ(Klarna)、金融のスタンダード・バンク・グループなどがいる。

フィンテック分野への投資は減少傾向

「カレンシークラウドは、このようなかたちで国際決済サービスを提供する業界をリードしている。企業各社で事業のグローバル化が進むなか、非常に必要とされるサービスだ」
アルファベットのベンチャー・キャピタル部門GVのゼネラルパートナー、トム・ヒュームは声明の中でこう述べている。
GVは、ウーバー・テクノロジーズ、スラック・テクノロジーズ、23アンド・ミーなど、多くの新興テクノロジー企業を支援してきた。今回の増資により、カレンシークラウドへの投資総額は6100万ドルになる。
2016年、金融にフォーカスしたスタートアップに対する投資熱は冷めた。CBインサイツの調査では、2016年のフィンテック分野に対するベンチャー・キャピタルからの投資額は世界全体で123億ドル。2015年と比べて13%減少した。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Adam Satariano記者、翻訳:浅野美抄子/ガリレオ、写真:Pixtum/iStock)
©2017 Bloomberg News
This article was produced in conjuction with IBM.