米国:オバマケア廃止で2400万人無保険に CBO試算
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この「試算」自体が政治的なものです。
1)トランプは、診療時の自己負担額低減、保険に「入らない自由」など有権者にメリットを約束。
2)共和党は小さな政府論からコストカット、セーフティネット破りの方向。
3)民主党はトランプの「入らない自由」はコスト増要因、共和党の観点は福祉カットということから容認できない。
という三つどもえ状態になっているんですね。仮に2を中心とした要因で、大量の無保険者が出てしまい、不満が大きくなったとします。その不満をトランプは共和党と民主党のせいにしたいし、共和党は実はトランプのせいにしたいんですね。勿論、民主党は中間選挙での大攻勢を狙っています。
議会の予算局というのは超党派的に振る舞うことになっていますが、議会の一機関でああるのは間違いないわけで、共和党、民主党共に、この問題を「トランプの決定的な失点」にしたいという強い意図を持っている中で、こういった試算数字が出てきたと考えるのが妥当です。
但し、非常に複雑な医療保険制度の様々なパラメーターなんて、全く決まっていない状況ですから、1500万が無保険とか、2400万とか色々な数字が出回っていますが、そもそも全てが政治的な推定に過ぎないんですね。そもそも、アメリカの保守主義者からすれば、オバマケアは既に憲法違反なのだ、という解釈のようです。州が州民全体を健康保険に参加させるという決断は憲法違反ではないですが、連邦政府が全国民に健康保険加入を義務づけることは、連邦政府の権限を超えた越権行為であると解釈されています。特に、草の根保守の人々は、この点を強調して、オバマ政権の反憲法性を鋭く指摘しています。
それがこの記事の対立構造の根っこの一部と言えます。唯一言えることは、アメリカの医療費高すぎなので、無保険で病気になったらリアルに貯金なくなる。ちなみに駐在時代は日本の保険加入していったので事情が違うが、立替払い請求だったので、病気になったらキャッシュフローが足りなくなるリスクあった。何度か黒字倒産の危機にあったけど、病院行かずに助かった。無保険者は病院行くと破産するとわかっているので病院に行かないようにする。悪循環だなと実感をもって感じた経験だった。