シムズ理論はヘリマネ、私が閣内にいる限りない＝麻生財務相

［東京　９日　ロイター］ - 麻生太郎財務相は９日午後の参院財政金融委員会で、金融政策よりも財政が物価の水準を決めるとのシムズ理論については、「ヘリコプター・マネー（ヘリマネ）」と指摘。「美味しい話は怪しいと思わなければいけない」とし、投資家のジョージ・ソロス氏が薦めに来たが「無責任なあなた方と異なり、私は１億２０００万人の国民に責任がある」として拒否したことを明らかにした。

その上で「私が大臣の間、内閣にいる間、ヘリマネ、シムズ理論は採用しない」と言い切った。

平木大作議員（公明）への答弁。

(竹本能文)

コメント

注目のコメント

• 大内 宏貴

  ビスポークパートナー株式会社 代表取締役

  ・2017年03月10日

  麻生大臣、本当によくやっていると思います。一見、財務省側の発言をしているようで、財務省のいいなりになっている訳じゃない。むしろ全てを分かった上で、財務省の代弁をして、財務省に操られていると見せかけながら、逆に財務省を掌の上で転がしている、という曲芸を演じているように思います。
  
  相手は官僚一優秀な軍団。歴代の財務大臣の中で、この官僚たちを1番うまく纏めていると思います。
• 鈴木 優一

  金融サービス

  ・2017年03月09日

  財務相という立場からの発言としてはこう言わざるを得ないのでしょうが、発言はどうであれ政府が衆院解散に動けば本予算だけでは不足であり、多かれ少なかれ補正予算を組む必要が出るかと思います。そうすれば、日銀が現状のYCCの枠組みを変えない限りは財政出動＋金融緩和のポリシーミックスで政策運営されることになりますから、実質的にヘリマネに近い状態になるでしょう。
  
  ただ、シムズ理論の期待形成を考えれば、財務相の要職にある方が「美味しい話は怪しいと思わなければいけない」といったような完全否定する発言は望ましいとはいえないかと思います。それに美味しい話といっても実際にどの程度かはともかくとしてインフレとなれば国民全体にとっては相応の負担を強いられることになるわけですし、決してフリーランチではないですから。
• 永濱 利廣

  第一生命経済研究所 首席エコノミスト

  ・2017年03月10日

  今はYCCが効いていますので、踏み込まなくてもいいでしょう。ただ問題は、日本がデフレ脱却する前に、アメリカが景気後退局面入りして円高になった時にどうするかですね。