経営者と従業員の働き方に関する意識調査からみるテレワーク活用の現状
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テレワーク活用を成功させるには、管理職が成果主義に
基づき部下を公平に評価する能力があるかどうかが鍵。日本人の通勤時間は、OECD加盟国中メキシコの次に長いという現実を考えると、テレワーク活用がもたらす生産性向上の可能性はかなり期待できるはず。同床異夢になりがちなこの話
「自己管理」を望む労使双方だが思惑は異なる
管理側(中間管理職やサラリーマン経営者)は、管理能力が不足しているし、管理責任も負いたくないので本心は「自己管理」の名目のもと、結果責任をできるだけ労働者側にとってほしい。従って、何らかのシステムを導入して勤務状況を逐一報告してもらう体裁にするなど、「自己管理」によって管理がし易いシステムの導入をするというインセンティブが働く。
一方、労働者側は、「自己管理」の名の下に、時間の使い方などの裁量権を広くしたいと考えている。しかし、アンケートで働く場所について必ずしもテレワークを望まなかったのは、自由と義務がトレードオフだということを肌感覚で知っているからだ。もしテレワークが主体になってしまうと、評価対象がアウトプットだけになるので、出勤という「出席点」が稼げない。それはそれでキツイと思っているわけだ。
結局、企業にとって従業員の価値とは何か、という問題になるが、それは事業分野や経営戦略によって異なる。より組織力が重要な場合と、そうでない場合があるし、「組織力」にもマンパワーの重要性の違いなどいろいろある。情報セキュリティの重要性や、会社への忠誠心が重要な業務もある。
そして、これは企業目線だが、マクロに国レベルで見ると、どのようにして国民に働いてもらい、給料の分配の正当性を担保し、社会の秩序を運営するかという問題になる。おそらく、テレワークが中心になりすぎると、稼げる人と稼げない人の格差がどんどんひろがり、社会不満が高まっていく。
「自由な働き方」とは、実に危険なワーディングだ