「M&A」は経営の上級者向けスキル
コメント
選択しているユーザー
M&Aにおいて、買われた側の社員がほとんど残っていない案件も見受けられます。
モノや売上や利益の単純合算を買ったのではなく、ビジネスを買ったなら、社員を含めたビジネス全体をどう活かすかを考えないと、成長ではなく、膨張であり、経営神経が行き届かない、かえって非効率を産み出すこともあるでしょうね。
PMI(買収後統合)は、買収前にデザインして、やりきらないと、自然に達成する事はあり得ないですよね。
注目のコメント
買収検討の際に最も気を付けるべきマジックワードが「スケールメリット」と「シナジー」。うやむやにごまかすときは便利なワードですが、本質的に考えるときはちゃんと分解して考えないとダメです。
「シナジー」は、一方の会社がもつ資源を他社が利用することによる価値向上やコストダウンとすると、どうしても「買収先の技術、販路を活かして」的な話になりますが、経験的には最も展開が効く資源は「経営力」です。
要するに経営力が高い会社が低い会社を買えば、その差で収益改善ができるということで、日本電産などは結局はこれだし、力のあるPEがバリューアップ出来る所以もこれです。
まずはそれがあって、その上で技術とか販路とか、間接部門統合とかの話になるというのが現実的なところですねM&Aは手段であり、その手段で達成しようとする事業戦略上の目標を画定することが大事だ。その目標に対してもっとも適当な手段を、多様な組み合わせの中から選択することになる。
手段の選択や評価、実行は、設備機械の取得や工場建設といった設備投資と同じで、良く似た手続きと経路を辿る。定量的指標や評価が大事で、PDCAサイクルが適用される。
通常の設備投資との違いは、対象が会社・事業という有機体であり、人の集合体であることにある。しかも、人の集合体の外縁は、会社・事業の内外に拡がり、従業員はもとより取引先や近隣住民も含まれる。
この人の集合体を取り扱っていることを忘れたM&Aは、いくら財務的には成果があっても、それは失敗物だ。「人に優しいM&A」を常に志していたい。シナジーは魔法の言葉とありますが、実際にシナジーはあるわけで、問題はその言葉自体ではありません。私の拙い経験からすると、M&A成功のコツは2点です。
■”シナジー”の期間/コストを悲観的に見積もること
→シナジーは正の面ばかりでなく、もちろんトレードオフとなる面もあります。また、株主/債権者にのせられて、シナジー効果の創出をM&A年度にもってくることは避けた方がいいです。同産業/中規模企業のM&Aであっても、物理的/心理的統合には時間がかかり、費用が先行します
■可能な限り”安く”買うこと
→当たり前のことです。だけれども、その当たり前ができない理由は”いつも”存在します。例えば「メインBK経由だから」「他企業も提案にきているから」「親会社と親密だから」などなど。これらによって、Value Creationのハードルを上げすぎると、自分の首を絞めます。