ブロックチェーンの展望と課題
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これ、「Ethereum」で「PoW」の「パブリックブロックチェーン」が前提の話であり、この方がおっしゃる課題はほぼ既に解決されていると言えます。
しかし確かに、それ以外の「適用範囲」を定かにしないままのPOCや実験が多すぎるのは事実です。
我々は適用範囲まで明確にしておりますが、認知の面ではまだまだ実力不足です。更なる啓蒙に勤しみます。「このあたり、暗号通貨としてのブロックチェーンと、分散システムとしてのブロックチェーンを一度完全に切り離した、よりピュアなブロックチェーン技術の登場を期待したいところです。」
これはすでに概念として切り離されてます。誤解を恐れずに言えば、パブリックチェーンとプライベートチェーンの違いかと。ブロックチェーン技術が社会に与えうる最大のインパクトは、これまでの現代国家システムにおいて、政府や中央銀行、政府に認可された大手銀行、証券会社、証券取引所、等が担ってきた広義の「認証」に対する「与信」という既得権を、ブロックチェーン技術が置き換える可能性がある所だと考えています。その意味において、イーサリアムやビットコインのような「パブリック」こそが本質で、三菱東京UFJ銀行が行なっているような「プライベート」はせいぜい従来業務の低コスト化に繋がる程度の影響しかないのだと思います。
従来の「与信」システムは、社会にとって最も存在の持続性が信じられることになっている政府システム(及び上記の大手機関)の信用力という目に見えない権威によって、重要な取引の信用が担保されてきました。これは不正があった場合の警察力の執行権ともセットになっています。
「最も重要な取引」の最たるものが、通貨取引であり、それが偽札でないことは国家レベルのシステムがないとなかなかうまくいきません。通貨取引以外にも、株式や債券の取引、何らかの重要な取引の認証にも、背景には国家の権威が陰に陽に関与しています。
ブロックチェーン(パブリック)は、その信用の源泉は、理論上改ざんがほぼ無理という技術と、システムの維持を担保する電力とインターネットの持続性に対する利用者の信用に担保されています。ある意味政府の継続性より、電気とネットはずっとあるだろうなと。
その信用力を担保に、既存の政府や機関にしか担えなかった取引を代替する可能性こそが、この技術の可能性の最大の衝撃であり、現代国家の権力と金融システムの既得権の一部を担う可能性があります。一方、既存システムでそれ程大きな信用力が必要ない作業であれば、クラウドやGoogleへの信用力で充分の時もあります。既存の取引コストが安いものも代替は難しいでしょう。
理論上は可能性があるものの、私は最近そう簡単ではないと疑うようになってきました。イーサリアムの内紛やプライベート版の乱立、セキュリティの隙などが、パブリックブロックチェーンの存在意義を脅かしているように思われます。
反グローバル化の圧力も近年目立つようになり、インターネットそのもののローカル化や、サイバー攻撃による信用の低下、ダークウェブへの潜行など、大前提自体の揺らぎの問題もはらんでいます。