[ベルリン 19日 ロイター] - 独ビルト紙日曜版の世論調査によると、中道左派の社会民主党(SPD)の支持率は33%と、前週より1ポイント上昇した一方で、メルケル首相の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は1ポイント低下の32%となり、首位を奪われた。

SPDの支持率がCDU・CSUを上回ったのは2006年以来初めて。調査はエムニドが担当、有権者1885人を対象に実施した。

ビルト紙によると、SPDは1カ月前から支持率が12ポイント上昇しており、過去最大の上昇率。SPDは現在、CDU・CSUと連立を組んでいるが、今年9月の連邦議会(下院)選挙に向け、シュルツ前欧州議会議長を首相候補に選出。その後は支持率が急上昇している。

ケルン大学の政治学者、トーマス・イェーガー氏は「CDUがいかにシュルツ氏のような人物に対して準備ができていなかったかは驚くべきだ。SPDが20─25%のレンジに留まると想定していたのだろう」と指摘。

ただ、ショイブレ財務相はシュルツ氏について、「われわれは無論、重要視している」と表明し、準備が不十分だったとの観測を否定した。

ビルト紙の世論調査では左翼党の支持率が8%、緑の党は7%と前週と変わらずで、SPDの33%と合わせれば48%と、中道左派政権の樹立が可能になる。

自由民主党も6%と変わらずで、移民受け入れに反対する右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は1ポイント低下の9%。CDU・CSUと合わせると47%となる。