金正日総書記生誕75年「後継問題が解決した」と報告
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金正恩委員長の恐怖政治が行き着くところまで行ったか、との受け止め方も少なくないだろう。
代表的な受け止め方の一つは、肉親まで暗殺して引き締めを図らなければならないほど、金正恩体制は揺らいでいるというものだ。
亡命を阻止するための暗殺劇とする見方も、同じとらえ方に属する。
いまひとつは、金正恩委員長の叔母の配偶者であった張成沢氏に始まる粛清劇が一段落するという見方だろう。
「金総書記の指導の継承問題を完璧に解決した」との金永南最高人民会議常任委員長のスピーチ(金正日総書記の誕生75周年を祝う中央報告大会)は、その点を指しているとみなすことができる。
金正恩委員長がトップの座についてからの粛清の犠牲者は240人以上と言われ、その凄惨さに驚かされるのは日本人だけではない。
しかし、韓国の情報組織が出している数字によれば、父親の金正日氏が手にかけた数よりは少ないことも事実のようだ。
かつて、米国のリチャード・ニクソン元大統領は回顧録の中で、それぞれの国にはそれなりの近代化のスピードがあり、姦通した王女がイスラム法に従って石打の刑で殺されようとも、それをもってサウジアラビアを野蛮な国と決めつけてはならない、と述べている。
それと同様に、北朝鮮にも近代化や民主化についての歩みがあるのは間違いないところだ。
20代後半でトップの座を世襲した金正恩委員長からすれば、朝鮮労働党と朝鮮人民軍の幹部は祖父に当たる年代の人々ばかりである。
その人々に侮られれば、一族郎党が皆殺しにされかねない環境といって構わないだろう。
決して肯定するわけにはいかないことだが、その北朝鮮において権力を掌握し続けようとすれば、一罰百戒の狙いを込めて、見せしめ的に粛清を行うのは、ひとつの考え方ということになる。
そこで金正男氏の暗殺だが、単に抹殺したいだけであれば、それこそ交通事故に見せかけるのが、普通の考え方だ。簡単でもある。
それなのに、わざわざマレーシアの空港で女性を交えた5〜6人の暗殺チームを使ったというのは、見せしめが最大の目的であり、「最後の粛清対象の抹殺に成功した」というメッセージ性さえ感じられるのである。
(2月16日記)邪推で韓国陰謀論を垂れ流してしまいましたが、今日に向けた布石だったと認めたことで、全くの杞憂だったことが証明されましたね。知ってて放置した、くらいのことはあったかも知れませんが。それにしてもすごいな。