【鳩山×鎌田】トランプ大統領こそ一番のインフルエンサーだ

2017/2/19
効果が出やすい業界
──企業の戦略や立場によると思いますが、インフルエンサーにとって、「安いものをとにかくいっぱい作ってどれかが当たるという方法」と「とにかくクオリティを重視して、少数のコンテンツを作り込んで投下する方法」のどちらがいいでしょうか。
鳩山 難しい課題ですが、どちらの方が優位性ありますかというと、まずマーケティングでは両方見ないといけないですよね。
単純化してしまうと、恐らくプライスセンシティビティよりもプロダクトそのものがどう輝いているかの方が重要な気がします。
ジャパネットたかたの高田・前社長の場合は、「安い! お得! しかもこれがついて!」っていうのもありますから、プライスセンシティビティのところを突いていますよね。でも、プライスセンシティビティを重視する人はプロダクトをあまり見ないのではないでしょうか。
すなわち、インフルエンサーマーケティングの効果が出やすい業界があります。それはコンテンツ業界とエンタメ業界です。
例えば、おもちゃやブランド品やアパレルは、どうディストリビューションやプロモーションを設計するのかという、インフルエンサーが重要な部分です。
業界によって購買特性が変わってきていますが、僕はエンタメの中で生きているので、インフルエンサーマーケティングとの相性がすごくいいです。そういう意味では僕たちには業界バイアスが少しかかっているのかもしれません。
ただ、今は、ハーバードのビジネススクールでも、インフルエンサーマーケティングやブロックバスター戦略を教えている授業が一番人気です。講師にスポーツ選手やハリウッドの人やディズニーの人も来ています。
どちらかというとこのような業界は、センスや人脈だけでやっている要素が強かったですが、最近はエンタメ業界にもPh.D.(博士号)を持っている人が増えています。
その先は、センスとクリエイティブとビジネスが融合していって、今までにない産業になっていくんじゃないかと思います。その変化が面白いですよね。
鎌田 あとは、よりコンテンツが多構造化していますよね。
ユーチューバーも昔はiPhoneなどをレビューしていました。最初はガジェット系のレビュアーが多かったですよ。
それがゲーム実況をやるようになってきて、キッズ系、ファミリー系コンテンツをやるようなクリエイターがでてきました。今はエンタメ系とかがはやっている一方、釣りとか、バスケットボールなどの以前ではそこまで再生回数のとれなかった動画がはやっています。
趣味嗜好(しこう)を投稿することで成立するクリエイターが増えてきているので、そういう人たちが広くネットに集合した次にどうなるかですよね。
鳩山玲人(はとやま・れひと)
1974年生まれ。鳩山総合研究所代表取締役。スタンフォード大学客員研究員。元サンリオ常務取締役。青山学院大学を卒業後、三菱商事に入社。2008年にハーバードビジネススクールでMBAを取得。同年、サンリオに入社。サンリオで海外事業を拡大し、サンリオメディア&ピクチャーズ・エンターテインメントのCEOとして映画事業にも従事し、2016年6月に退任。DeNA、LINE、ピジョン、トランスコスモスの社外取締役を歴任。現在、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるSOZO VENTURESのベンチャーパートナーや、YouTuberを束ねるUUUMのアドバイザーも務めている。