「思いやり」という新たな通貨:企業が価値を得るための4つの方法
コメント
注目のコメント
オペレーションの鍵は、現場が頭を使って、個人の裁量の範囲内で柔軟に行動することだと思う。
でも、それが一番難しい。どこまでの裁量を認めていいのか。
いわゆる高級サービスでは、思いやりはサービスの一部であると思います。粗利率の高いビジネスであれば、その裁量で、やれることの幅が広い。
一方、粗利率の低いサービスでは、それをやると赤字になるか、そもそも、柔軟に対応できる人が仕事をしていない。
話がずれるかもしれませんが、一番簡単な(頭を使わない)物の売り方は「値引き」すること。その値引きを現場が裁量で乱発したら収拾がつきません。
「現場のスキル底上げ」と、裁量を認めるだけの「体力的な余裕」の2つが必要条件であると思います。「思いやりはビジネスにおける新しい通貨」であり、組織やリーダーはそれをどう活かすことができるのか。本記事のテーマです。
新刊書『The Profit of Kindness』(思いやりの金銭的利益)の著者ジル・ルブリンは、思いやりがあるという評判を築いた組織は「より高い認知度と知名度、そしてより多くの取り引き」という形で報酬を得ることができると説きます。ルブリンが挙げている「リッツ・カールトン」の例を見るとわかりやすいかもしれません。
個人的に興味深いのは2点。質的な指標に見える「思いやり」は具体的に計測可能で、「思いやり利益率」(Return on Kindness:ROK)として表すことができること。「利益への道」への7つの指標は、オープンでイノベーティブな組織の条件でもあること。原書にあたってみたい。
***
「『The Profit of Kindness』でルブリンは、7つの「利益への道」を詳しく検討している。「同情心」「柔軟であること」「忍耐」「肯定性」「寛大さ」「感謝」「結びつき」だ。これらは、実際の事業成果として計測が可能な「思いやり利益率」(Return on Kindness:ROK)につながる」