「大統領令停止は間違い」 トランプ政権が争う構え
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法廷闘争が長く続くということは、大統領の棚上げ状態がさらに続くということでしょう。全米で多くの訴訟も起きており、これらすべてを突っ切っていくのは現実的ではなく、司法判断は別にして大統領令は実質的にフェードアウトしていく展開になるのではないでしょうか。ノルウェー元首相がダレス国際空港で一時拘束される不手際もありました。こうした事態が次々と明るみに出てくることもフェードアウトを後押していくと思われます。
本件の法的手続面を整理します。
①-a 連邦地裁ワシントンの本案手続（大統領令は違憲であり無効であると求めるもの） → 審議中
①-b ワシントン連邦地裁の本案手続の中で申し立てられた暫定的仮処分（一時的に大統領令の効力を停止することを求めるもの） → 認められた
②-a 連邦控訴裁第9巡回区の不服申立手続（①-bの暫定的仮処分に対する不服申立） → 審議中
②-b 連邦控訴裁第9巡回区の不服申立手続の中で申し立てられた即時停止処分（②-aの結果が出るまで①-bの仮差止の即時停止を求めるもの） → 却下
②-bはいわば「仮の仮」みたいな手続きですので②-aの結果もすぐに出るのではないかと思われます。なお、理屈上は②-aの結果に不服がある当事者は最高裁に更に不服申立てをすることが可能なようですが、DOJの担当者は「最高裁への上告はせず連邦控訴裁の結果に委ねる」とコメントしたとの報道があります。
①-aはとても時間が掛かりますが、①-bが確定すれば実質的に大統領令の効力は止まりますので、原告側の目的は実質的に達成されることとなります。
連邦控訴裁のウェブサイトに各決定等が載っています。
https://www.ca9.uscourts.gov/content/view.php?pk_id=0000000860最初は、大統領令を乱発するも差し止められることで、「公約で言ったけど、出来ないなら仕方ないよね」という、有権者に対するアピール方法の一つかと思ってましたが、ここまでダダこねるのは天然に見えます。いや、これも「この人法律にまでかみつく面倒くさい人だから争わずに折れた方が良い」と相手に思わせるための、彼の高等作戦なのか。。。。
少なくとも世界中が毎日「トランプ」について考えざるを得ない状況を創り出しています
