新たな儲けの種は「ゴルフ場管理契約」

2017/2/12
米国のビジネス界で存在感を高める、プライベートエクイティ(PE)。近年、その投資分野は、企業のみならず、公共インフラ、自治体にまで拡大している。全米を席巻するプライベートエクイティの全貌にニューヨーク・タイムズの取材班が迫る(全8回)。 
予告:年収800億円。プライベートエクイティ幹部の3つの収入源

わざと誤解を与えたゴルフ場管理契約

アメリカ中の地方自治体に、アメリカン・ゴルフ社から手紙が届いたのは2013年のこと。アメリカン・ゴルフは、これらの自治体の公立ゴルフ場の管理を請け負っている。手紙は、同社がフォートレスに買収されたという知らせだった。
それはいい知らせのように見えた。
その手紙によると、プライベートエイクイティのフォートレスは「わが社(アメリカン・ゴルフ)のような企業と一緒に仕事をした豊富な経験がある」という。
一部の州政府高官には、フォートレスからロゴ入りの文書も届いた。フォートレスはほかにもゴルフ場を所有しており、地元政府とパートナーシップを組む企業を所有する「直接的な経験」があるという。さらにフォートレスに「かなりのリソース」があることを示す年次報告書が同封されていた。
その売り込みは抜群の効果を発揮した。