この連載について
年間数億ドルの年収もザラ。プライベートエクイティ幹部は、米国の富を象徴する存在だ。今、プライベートエクイティは、企業のみならず、公共インフラ、自治体にまでビジネスを拡大している。全米を席巻するプライベートエクイティの全貌にニューヨーク・タイムズの取材班が迫る。
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まず、(日本を除く)世界のPEの資金の50%以上が年金から供給されていることは周知の事実。それ以外は、大学基金などのエンダウメントが大きい。昨日もコメントしたように、カルパースやカルスターズのような世界の一流の公的年金は、概ねその15-20%程度をPEに投資する。その理由は、他の資産クラスとの相関がかなり低いということと、長期に亘って、最も高いリターンを叩きだしてきていること(以上の2要素によって年金運用全体のリスク対比リターンが高まること)、そして、年金受給者=自国労働者の資金を自国・自州経済の産業活性化に繋げてパイを大きくすることで結果的に年金にとっても有利な状況を創出することです。カルパースはそれを明言しています。これに比べると日本の場合、公的年金はもちろんですが、企業年金からのPE、特に自国のPEへの投資は皆無に近く、日本のPEの資金規模が拡大するのを阻む大きな壁です。米国では70年台後半のエリサ法改正がPE投資のきっかけとなりましたが、日本はそれがまだ起きず、ざっと40年近く遅れてしまっています。規模のあるPEの不在が日本での商業銀行万能主義を蔓延らせ、産業再編を遅らせ、更に、年金運用のリスク対比リターンを下げてきた原因です。
記事の後半は、法的整理になった後に雇用が失われたという話をPEと関連つけて論じていますが、それはミスリーディングです。企業が法的整理になった場合は、新スポンサーがPEファンドであれ事業会社であれ、例外はあるものの、原則として必要な部門とそれに付随する施設や労働者等を引き取るのが通例であり、その他一般債権も大幅にカットされます。逆に言えば、そうやって新スポンサーを募って事業を救うためにこそ、法的整理があるのです。何もPEだけが特殊なわけではないし、新スポンサーがつかなかったら、破産し、元の会社の社員全員が救われないのです。
「狙いは破産で白紙状態になった企業」
この狙い自体が悪いわけではないですよね。誰もスポンサーがつかなければ雇用を産みません。元のしがらみを残したままでは再生など出来ないでしょう。個人投資家でもプライベートエクイティでも、安く買って高く売るのが基本です。