「リッツ」と「ルヴァン」の攻防戦、本当の軍配
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過去からずっと注目していた両者の勝敗。棚獲得力でヤマザキが勝ったというのは非常に示唆深い。やはり量販メインの食品では、ブランドロイヤリティよりも地上戦の力が強いと再認識。
以前、ある食品ブランドでも、ブランド名を隠しての食べ比べ、ネットアンケートでの調査、店頭での実売状況などのデータから分析をしましたが、結局はCMなどで作られた「美味しいイメージ」という要素と、店頭で棚を抑え特売などの販促を提案できる地上戦の力という2つの要素が重要であり、ブランドはなくても後者が強いブランドがしっかりとシェアを抑えていました。
【以前の記事】
https://newspicks.com/news/1781622
https://newspicks.com/news/1714381奇しくも同時期に、アパレル大手の三陽商会が英「バーバリー」との長期ライセンス契約が満了となり、「マッキントッシュ・フィロソフィー」で穴を埋めようとしましたが、こちらは非常に苦戦しているようです。
何が2社の明暗を分けたのでしょうか?
マーケティング戦略を考えるうえで含意がある事例だと思います。ざっと考えられるのは以下の4点です。
⑴ 長年「リッツ」のTVCMに出演していた女優さんを「ルヴァン」でも継続起用
⑵ ヤマザキ製パン(YBCの親会社)は大手コンビニや大手スーパーと他の主力商品でも太いパイプがあり(コンビニ向け弁当/惣菜も作ってます)、「ルヴァン」の取引継続への協力(たくさん並べること)を取り付けることができた
⑶ 菓子は高級アパレルと違い、単価が低く、購買頻度が高いので、新ブランドへの乗り換えを促す余地が大きい
⑷ ビスケットの購買客の大半が女性、バーバリーは半々という性差(男性の方がブランドへの執着が強く、女性の方が乗り換えやすいという市場調査があります)
これらの仮説が正しいとして、三陽商会がヤマザキに学ぶべき教訓としては、同社は「バーバリー」の日本市場における支持獲得のために自ら汗を流すべきだったし(例: 沢口靖子さんのTVCM)、バーバリー以外にも強力なブランドも育てておくことで(誤解を恐れず言うと)新ブランドを抱き合わせ販売するべきだったということになります。言うは易しですが。