[ニューヨーク 31日 ロイター] - 米ニューヨーク午前中盤の外為市場で、ドルが主要通貨に対し急落した。トランプ米大統領や同氏の通商顧問による為替をめぐる発言が材料視されている。

トランプ大統領は製薬大手首脳との会談で、製薬会社は他国による通貨切り下げを受けて、生産を国外に移したと述べた。

これに先立ち、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、トランプ氏が新設した「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏が、ドイツは「過小評価が著しい」ユーロを利用することで有利な立場を得ているとの見解を示したと報道。ユーロが急上昇した。

市場では、相次ぐ発言を受けて、トランプ米政権がドル相場の押し下げを狙っているとの見方が広がった。

ドル/円<JPY=>は1.5%近く急落、昨年11月30日以来の安値となる112.07円に沈んだ。ユーロ/ドル<EUR=>は1%高の1.0801ドルと、昨年12月8日以来の高値をつけた。

クレディ・アグリコルの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「市場は引き続きトランプ大統領、および米政権当局者によるドル高けん制のレトリックに反応している」と話した。