「野球バカ」をクリエイティブ人材に変える方法

2017/2/6
石川県の強豪・遊学館高校野球部で“底辺”からスタートし、考え抜いた努力で甲子園出場、一時はプロの注目も集めた筆者・太田将野。現役同志社大生の彼が、“野球バカ”になりがちの選手たちをクリエイティブ人材に変えるための方法を提案する

凡退の悔しさを糧に同志社合格

2013年7月28日に行われた第95回全国高等学校野球選手権、石川県大会決勝。
2対5の3点ビハインドで迎えた9回裏2死満塁フルカウント、見逃し三振――。
僕が一生忘れることのないであろう高校野球生活最後の打席である。
遊学館高校の5番キャッチャーとして2年連続の甲子園出場を目指していたが、一打逆転の場面で最後の打者になってしまった。その悔しさを莫大なエネルギーにして6カ月の猛勉強に励み、同志社大学に一般受験で入学した。
大学では体育会の硬式野球部に所属し選手としてリーグ戦を経験した後、小中高生を対象とした野球スクールの打撃コーチとして1年間で10人の生徒を個別指導。現在は就職活動に取り組んでいる、普通の大学生である。
現代の野球教育を一人の選手として存分に経験し、引退してから俯瞰的な視点でアマチュア指導を見られるようになり、強く願うことがある。
「甲子園出場を目標に本気で頑張った経験のある者たちよ、野球以外のフィールドでの活躍を目指し、次なる目標に向かえ!」
これは、自分自身にも言い聞かせている言葉だ。
遊学館高校野球部の“底辺”からレギュラーとして甲子園出場、一時はプロの注目も浴びた筆者。野球で培ったクリエイティブな思考法を学業、就職活動などで生かしている(著者提供)