【ドミニカ】超競争社会=MLBで勝ち抜くための教育

2017/2/11

メジャーに昇格できるのは2%

アメリカ国外からメジャーリーグ(MLB)に最も多くの選手を送り込んでいるドミニカ共和国では、毎年約400人がプロ契約を結んでいる。その多くが16〜17歳だ。
そのうち頂点のメジャーリーグまでたどり着くことができるのは、わずか2%。かの国の少年なら誰もが憧れる野球選手だが、実情は超のつく競争社会である。
「メジャーという非常に厳しい世界で、一流として長く戦っていくのは並大抵のことではない。そのために何が大切か、わかるかい?」
2015-2016年シーズン、ドミニカのプロ野球=ウインターリーグに筒香嘉智(DeNA)をコーディネーター兼通訳として連れていった阪長友仁は、かつてMLBのコーチからそう聞かれたことがある。
多くの日本人なら、こんな答えを挙げるのではないか。
「メジャーで戦うためには体力や技術が必要だ。いろんな困難に打ち勝つ忍耐力や、メンタル的な力もいる。そうしたものがすべて求められる」
もちろん、心技体はすべて不可欠だ。
だが、そのコーチが“最も大切なもの”として挙げたのは、異なる答えだった。