【イタリア】大炎上。「子作りの日」キャンペーンの教訓

2017/2/1
欧州で最低レベルの出生率に落ち込んでいるイタリア。その状況を打開すべく、政府は「子作りの日」を設定したが、それが大きな反発を生んだ。

ムッソリーニを彷彿

人口の減少に歯止めをかけようとするイタリア政府の努力が裏目に出てしまった。コウノトリや砂時計を使った広告キャンペーンが一般の猛反発を招き、撤回せざるを得なくなったからだ。
同国の出生率は、欧州連合(EU)の平均である1.58人に対し1.37人と低い。
その事実についての意識を高めようとする一連の広告は、女性が砂時計を手に「美に年齢は関係ないが、妊娠にはある」と宣言したり、「精子をムダにしないで」とか、「急いで。こうのとりを待っていてはダメ」と叫んだりする。
流し台に水滴がしたたり落ちる映像に、「出産は公益だ」というキャプションが付けられた広告もあった。イタリアのファシスト時代の独裁者ムッソリーニの広告キャンペーンを彷彿とさせる。
ピアチェンツァにあるサクロ・クオーレ・カトリック大学の経済学教授、フランチェスコ・ダベリは、広告が「コミュニケーション・キャンペーンとして失敗したのは明らかだ」が、「非常に深刻な経済問題のひとつで、年間365日注目されるべき問題の触媒になっている」と語る。