【フランス】「育児する父親」の増やし方

2017/1/30
少子化対策のお手本として語られるフランス。ただしフランスでも、「育児する父親」が当たり前になったのは過去15年の話だ。なぜフランスの男は変われたのか。その理由を、フランス在住で『フランスはどう少子化を克服したか』の著者である髙崎順子氏がレポートする。

少子化克服国、フランス

筆者はフランス人サラリーマンと結婚し、フランスで7歳と4歳の男児を育てる共稼ぎの母である。月々のローンや税金、社会保障費を粛々と払いながら、フリーライターの仕事と子育てを両立している。夫も私も実家は遠い、いわゆる首都圏の核家族だ。
それでもなんとか「詰んだ」状態にならず家庭を運営できているのは、ひとえにフランスの子育て支援制度のおかげと思っている。
学童保育を完備した3歳全入の公立学校、手ぶらで通える保育園、ほぼ無料の妊娠出産医療など、「この社会なら産める、育てられる」と思えるだけの制度が充実しているのだ。
そのたまものかフランスはここ10年、合計特殊出生率を1.9〜2.0付近で維持する、先進国でも数少ない「少子化克服国」となっている。