[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の元金融政策委員の余永定氏は、人民銀行が人民元の下落幅の下限を25%に設定し、これを超えない限りは外貨準備を維持するために為替介入をやめるべきだとの見解を示した。金融メディアの財新が12日報じた。

政府系シンクタンク、中国社会科学院(CASS)でエコノミストを務める余氏は「介入の継続により『適切で均衡のとれた水準』に元を緩やかに下落させるのは非常に良くない政策だ」と指摘した。

オンショアとオフショアの両市場での介入は元の安定化につながっているものの、余氏は「外為市場で介入をやめることは、外貨準備の不必要な減少を回避できるだけでなく、資本流出の阻止に向けた資本規制の必要性を大幅に低下させる」と指摘。介入は元売りを促すだけだとした。

余氏は、人民元が一段と下落するとの市場の見通しは変わっていないとの見方を示した。人民銀行は為替介入の中止を発表する「良い機会」を模索すべきだとし、元の下落率が25%を超えた場合にのみ介入を再開すべきだと指摘した。

中国の外貨準備高は12月末時点で3兆0110億ドルで、約6年ぶりの低水準となった。2016年年間では3200億ドル減少。12月の減少幅は410億ドルだった。