コンピュータ分野の伝説的発明家が説く“2030年の世界”

2017/1/12
「イノベーターズ・トーク」第62回は、アメリカの伝説的発明家、レイ・カーツワイル氏が登場する。
カーツワイル氏はマサチューセッツ工科大学在学中に起業家としての道を歩み始め、1974年、カーツワイル・コンピュータ・プロダクツ社を設立した。
以来、光学文字認識(OCR)ソフト、文章音声読み上げソフト、独自のシンセサイザーなど数々の製品を世に送り出し、1999年には「アメリカ国家技術賞(National Medal of Technology)」を受賞した。
また未来学者としても活動し、テクノロジーの未来像を言い当てることでも知られている。
インターネットや検索エンジンの普及を的中させたほか、2005年に発表した著書The Singularity Is Near”(邦訳『シンギュラリティは近い』)では、人工知能(AI)が全人類の能力を超える「シンギュラリティ」(技術的特異点)が2045年に来ると宣言。一般に「シンギュラリティ」という言葉が広まるきっかけを作った。
現在ではグーグルのチーフ・フューチャリストとして、同社のAI開発を牽引している。
そんなカーツワイル氏は、今回のトークで「コンピュータやAIの性能は指数関数的に伸びており、将来的には血液細胞サイズにまで圧縮され、人間の身体とAIが直接結びつく日も近い」と主張する。
その先には、「病気や老いが克服され、寿命が100年になる世界も見えている」と語る。一見突飛な発想にも見えるが、それ相応の根拠があるという。
果たして、コンピュータやAIが発展した先に待つ未来は、天国か地獄か。未来学者の「ビッグピクチャー」が示される。