「感想」こそ人間関係の第一歩。五木寛之への手紙

2017/4/4
エンタメと純文学を混在
話は少し戻るが、念願かなって「野性時代」編集部に配属された僕は、我ながら水を得た魚のようだった。
「野性時代」という文芸誌は、エンタテインメントと純文学を混在させる新しい雑誌だった。
当時、他社では、講談社が純文学の「群像」とエンタテインメント系の「小説現代」、同じく文藝春秋が「文学界」と「オール讀物」、新潮社が「新潮」と「小説新潮」などの文芸誌を出していたが、どれもA5判の大きさだった。
そのなかで「野性時代」だけが唯一のB5判。週刊誌と同じ大きさだから一回り大きい。そのうえ、枕代わりになるほど分厚い。ということは物理的に1冊あたりの活字の量が多いということにほかならない。
そして目玉として「長編一挙掲載」が常に毎号ある。その7割を僕が担当していた。いま思えば、いったいどうやってこなしていたのだろうと思うほどの仕事量だ。