アメリカ国内で製造を拡大中

シリコンバレーの電気乗り合いバスメーカー「プロテラ」(Proterra)が、最新の資金調達ラウンドで1億4000万ドルを獲得したことを明らかにした。
プロテラはアメリカ国内での製造を拡大しており、2017年後半には新規株式公開(IPO)が行われる可能性がある。
今回の資金調達は、プロテラにとっては5回目の資金調達ラウンドにあたる。同社のライアン・ポップル最高経営責任者(CEO)は今回の資金調達について、2017年後半か2018年に行われる予定のIPO前の最後のラウンドになると見込んでいる。
プロテラは今回の資金調達ラウンドを主導した出資者の名を明らかにしていないが、タオ・キャピタル・パートナーズ、クライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)、ゼネラル・モーターズのベンチャーキャピタルをはじめ、既存の出資者と複数の新規出資者が参加したという。
「今回のラウンドの規模と出資者の多様性は、世界中で公共機関や企業が脱化石燃料に向かっている現状を反映している」と、ポップルCEOは述べている。

充電1回で約560キロ走行可能

公共バスは、アメリカの交通インフラの鍵を握る要素だ。とりわけ、車を買ったりスマートフォンで呼んだりする余裕のない人にとっては重要なインフラだ。
また、アメリカで石炭火力発電所の閉鎖が進んでいる現在、輸送分野は発電分野に代わってアメリカ最大の温室効果ガス排出源になる可能性が高い。
すでにそれが現実になっている地域もある。たとえば、プロテラの拠点であるカリフォルニア州では、輸送分野が温室効果ガス排出量の3分の1以上を占めている。
プロテラは2004年に創業。5年後に最初のバス数台を南カリフォルニアの公営事業者フットヒル・トランジットに販売した。現在では、全米の交通機関が顧客に名を連ねている。
プロテラによれば、バス1台の販売価格は74万9000ドルだという。そのほかの売上データや今回の資金調達での評価額については、同社のコメントは得られなかった。
プロテラの電気バスの最新モデルは「キャタリストE2」と呼ばれている。2016年に発表されたこの高性能バスは、1回の充電で約560キロメートルを走行できる。
プロテラは南カリフォルニアのグリーンビルにある工場でバスを製造しており、2017年にはロサンゼルス近郊に第2の工場を開設する予定だ。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Dana Hull記者、翻訳:梅田智世/ガリレオ、写真:© 2016 PROTERRA)
©2017 Bloomberg News
This article was produced in conjuction with IBM.