【徐東輝】「投票」だけではない、若者の政治参画

2016/12/29
「若者の政治参画」をテーマに2017年を予測するとすれば、これほど簡単な予測もない。結論から述べれば、「特に何も画になることは起こらない」が答えだろう。
そもそも日本で若者の政治参画が話題となったのは、1960年代の安保闘争と2014年の安全保障法制の2つの時期くらいで、かくいう本稿も2014年のSEALDsらの動きに注目が集まったからこそテーマにしていただいたと考えている。
冒頭から面白くない結論を述べてしまった。しかし、これはあくまでマスメディアが着目する「画になる政治参画」の予測である。
そのような可視化された動きではなく、まだ多くのメディアが気づいていない動きを軸に、2017年を予測してみたい。
実は、変化の胎動は着実に生まれている。
若者の投票率は「まだ」上がらない
政治参画の形は、投票、献金、請願(ロビーイング含む)、デモ、立候補など多岐にわたる。もっとも、若者の政治参画の水準を測る格好の尺度は常に「投票率」であり続けてきた。
2016年7月に行われた参議院選挙は、18歳選挙権が実現した初めての国政選挙であったが、若者の投票率は35.6%ほど。相も変わらずの低さで、特に何も変わっていない。
もっとも、初めて選挙にいくことになった18、19歳の投票率だけは46.78%にまで上り(これは30代の44.24%より高い)、主権者教育を進めた意義とともに、メディアが声高に「戦後初めての選挙権年齢引き下げ」を伝えた意義が見いだされた。
では、2017年はどうなるのだろうか。そもそも、2017年は全国レベルの大きな選挙が予定されていない年である。
統一地方選挙は2018年、任期満了まで解散がないとすれば衆院選は2018年末、次の参院選は2019年に予定されている。
とすれば、解散総選挙がない限り、日本中の若者が当事者となって政治参画する機会は生まれない。
一方で、仮に解散総選挙があったとしても、今の野党の争点設定能力の低さを考えれば、若者が変化を見いだす選挙が起こる可能性は低く、20代の投票率は30%前後を推移するだろう(もちろん、10代の投票率だけはそれよりも高くなる)。
政治的無関心が蔓延する暗い未来を予測しているのではない。むしろお伝えしたいのは、若者の投票率は「まだ」上がってこないということだ。