【松岡真宏】ECが「2つの意味」で既存小売を破壊する

2016/12/20

従来の「勝ち組・負け組」が溶解

2017年は、小売・流通業界の中での勝ち組・負け組という考え方自体が溶解してくる年になる。
従来は、百貨店やGMS(総合スーパー)が負け組としてシェアを奪われ、コンビニや専門店がシェアを拡大して勝ち組になるという物語が語られてきた。
あるいは、小売業が、流通経路を遡って機能を内製化し、プライベートブランドを創ったり、製造型アパレル(SPA)になったりすることで生き残りを模索するという構図が流布してきた。
しかし、現在、Eコマースの加速度的進展、なかんずくアマゾンの進化によって、小売・流通業界におけるシェア争いというものが無意味化している。小売・流通業界が、過去半世紀以上にわたって消費者に提供してきた伝統的な価値が希薄化しているためである。
具体的に言えば、この伝統的価値とは、2つの異なる「時間価値」である。