【中野円佳】2017年のダイバーシティ推進、3つのキーワード

2016/12/20
この数年、日本企業のダイバーシティ推進は、安倍政権の当初の掛け声や女性活躍推進法施行もあり、まず「女性活躍」にフォーカスが当てられていました。
企業が取り組んできたのは主に女性管理職目標の設定、それにあわせた女性向け研修の設定などによる女性自身の意識改革でした。
しかし、多くの企業は、女性に活躍してもらうには、本人たちの意識だけではなく、彼女らを評価する管理職の意識も変えないといけない、働き方も変えないといけないということに気づき始めています。
また、女性以外の属性にもフォーカスを当てること、そして属性だけではなく、そもそも多様である個を尊重する環境をどのように醸成するか、そして個の多様性をどう拡大していくかということにも注目が集まりつつあります。
こうした流れの中で、2017年に鍵となりそうな3つの言葉を予測してみました。

① Unconscious bias

女性の活躍を推進しようとしている企業にとって、2017年にまず主要なキーワードになるのが「無意識の偏見」だと思います。
行動経済学などの実験で、この「無意識の偏見(Unconscious bias)」の存在が指摘されています。まったく同じ経歴やスキルの履歴書を、被験者半分ずつに配るのですが、男性・女性、アングロサクソン系・アフリカ系など名前を変えるだけで、統計的に有意に評価に差がついてしまうのです。