【安井明彦】トランプ大統領誕生。米国経済はどう変わるか
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始めドッカーン、後でドボーン。かねてから私はトランプノミクスについてそう見ています。
まずは、米国内に迎合して、レーガンとは違う観点から「強いアメリカ」を作ろうとする。財政赤字をものともせず、減税と公共投資で無理やり国内経済を引き上げる。バブルも作る。金利も上がる(上げる)お金がバンバン米国内に還流する。
したがって、国民は心地よい微熱に浮かされ、GDPの7割をしめる消費に火がつく。
欧州に介在せず、TPPは無視、といった新モンロー主義の標語の下、米国経済は絶好調に見えるようになる。株価も上がる。
でも、遠からず、こうした芯がない経済政策は息詰まる。そうすると円安、人民元安批判を強めてくる。他方で、米国内はコストが上がり、企業も農業も国際競争力が低下してくる。経済外交がざわざわするなか、国際情勢も米軍の減少等でタガが外れ、さらに不穏になる。
グローバルにリスクオフで円が買われドルが売られる。米国経済も世界経済も急縮小していく。株も売られる。
トランプが選挙時期の公約通りに実行すればそうなります。ジェットコースターのような経済運営で、トランプノミクスではなく「トランポリン」ミクスになりかねません。ドッカーーン、ドボーンとはその比喩です。
そうならないように、トランプには早く気付いてもらいたいものです。トランプ氏の発言から経済について読み取れるのは下記の項目でしょう。
・十分な国防予算を確保し、世界一強力な軍隊を再建する。
→軍需産業の活性化
・グローバリズムという誤ったイデオロギーからの脱却
→TPP反対
・国内のインフラ第構築計画
→アメリカ人の雇用に即結びつくので、雇用拡大
・反タックスヘイブン
→法人税減税による海外に滞留している企業資金2.5兆ドル(270兆円)のアメリカへの還流促進
・エネルギー政策の見直し
→アメリカ国内の石油と天然ガスは大いに掘ろう