この連載について
ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するメディア事業で、次々と明るみになる、記事の粗製乱造や医療情報の不適切な取り扱い。成長を追いかけるあまりに、上場企業として踏み越えてはいけないモラルを破ったDeNAの、歪みの根源を探る。
この連載の記事一覧

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【守安功】買収したベンチャーの勢い、DeNAは止めたくなかった
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【緊急寄稿2万字:楠木建】DeNAのDNAを考える(前編)
NewsPicks編集部 645Picks

【守安功】ヒアリング難航、不正マニュアルの作者もわからず
NewsPicks編集部 261Picks

【深層】南場氏の想いが「逆回転」した、WELQ炎上の顛末
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頭脳派社長の「死角」、DeNAが電撃買収を決めた夜
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(質問者)
しかし一方では、iemo、MERYの買収にあたってDeNAの法務部門から反発があったとも聞いています。
(守安氏)
金額的に2社で50億円。規模的にはアメリカのゲーム会社(ngmoco)に次ぐものだったので、重要な事業になるだろうと思っていました。反発……というよりは「著作権的に黒か白か分かりづらい」という話がありました。法律的には大丈夫という認識のもとで買収を行ったのですが、曖昧な部分もあった。そこは運営していく中でクリーンにしていこうと考えていました。
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また、記事中に表明保証・誓約についての言及があるので補足させて頂くと、事後的に表明保証・誓約違反があった場合に選択できる救済手段は基本的に売り主に対する損害賠償請求だけです。本件のようなアクハイアリング目的の買収の場合、賠償請求の相手方たる売主を自らの社内に取り込む形となりますし、個人が売主である場合賠償原資もたかがしれています。なので、本件のようなリスクに関しては、レップがあるから大丈夫という話には基本的になりません。
※https://newspicks.com/news/1925223
あと、問題の発端となったWELQは買収後に立ち上げられたサイトですね。
脇が甘い事は否めませんが、さすがにDDにおいてリスクの指摘はあったでしょうし、経営陣も内容は理解できたでしょう。
でも、そこがポイントじゃないと思う。
僕は合併含めて公開企業を3社買収した。
公開企業なら最低限のDDはシステムが行っていると看做されるし、万一何かあったら関係者をまき沿いに沈めてやると睨みを利かせる事で牽制できたからなんですよね。
でも、これでもリスクは排除されない。
結局、買収したら最後血が混ざった抜き差しならない関係になるわけ。
よろしくやっといてね、では済まないわけですよ。
きちんと躾けて、地道に経営しなければ機能しません。
M&A使えばホイホイ成長できるなんて思ったら大間違い。
ベンチャーによくある空気なので、DeNAさんには先頭切って改善して範を示して欲しい。
以下、引用。
「DDによって経営陣は著作権問題などの法的リスクを知り得たはずであり、ここが最初の経営判断ポイントとなり得る。・・・・・・・・・・
DeNA経営陣は、ペロリ、iemoを買収するまでの過程でデューデリジェンス、株式譲渡契約における手当てなどの法的リスクの発見とリスクヘッジをする機会が存在した。」
個人的には買収時バリュエーションの話はあるが、買収後の拡大フェーズで違反があった部分が多いと思っている。それは買収DDより、経営者をどう見たり、買収後のプロセス構築、コンプラとのチェックアンドバランス体制の問題の方が大きいと思う。
"大きな力を持つ事業者は、誰に対しても恥ずかしくない、三方良しの経営マインドと人望ならぬ「社望」が求められる。
テクノロジーは魅力的なものだが、経営指標の追求のためではなく、人間の幸せのためにある。同社のWELQ問題、キュレーションメディア問題から他社が学べることは多い。イノベーションを希求する企業は、本件を今後に役立ててほしい。"
という点に尽きる。
その昔、春田さんに「南場カンパニーにしたいのか、それとも公器として育てていきたいのか決めてくれ」と問われ、公器のして育てることを決めたDeNA。
人は、その気になれば、いつだって変われる。
企業だって、その気になれば、いつだって変われる。
「社望」を集める「公器」として、世の中に「なくてはならない」ソーシャルカンパニーへと飛躍を遂げることを期待しています。
「火のない所に煙は立たないが、その火は多くの場合、成功者への嫉妬の炎である」というのもまさにその通りと思う。リスク時の対応が必要になった際には心しておきたい。組織としても個人としても。