【秘録】SEOの女王、村田マリの「エグジット人生」

2016/12/12

シンガポールからの肉声

「いま、会社の方針を明確にしようとしているNOW(なう)って、ところなの」
2016年12月6日、DeNA(ディー・エヌ・エー)のキュレーション事業を取り仕切っている、執行役員の村田マリと電話がつながった。その語り口は、強気を装っているのか、いつも通りに明るかった。
医療・ヘルスケア情報サイトの「WELQ(ウェルク)」が引き金になった問題が、オンラインサイトからの無断転用や盗用、インターネットの検索結果を強引に押し上げるSEOのやり口について、すでに多くの人々を巻き込んで「大炎上」している真っただ中のことだ。
しかし本人は、メディアも会社もなかなか手が届かない、シンガポールで暮らしている。いわゆるリモート経営のスタイルだが、さすがに日本国内で膨れ上がっている批判の波を感じたのか、話していると少しずつ声のトーンが変わってくる。
「謝罪すべきことは、きちんと謝罪したい。でも、(ブロガーの)山本一郎さんが書いたようなことはないとか、言いたいことはたくさんあるの。でも会社の方針が定まらないことには、言えない」
直接の責任者であるにもかかわらず、社長の守安功らが開く記者会見にも参加する気もないという。それでは、世間の批判の矛先が、彼女に集中するのは目に見えている。10年来の知人ということもあり、取材を受けるように説得した。
「週末に東京に戻るから、インタビューを受けます。午後7時から10時の時間を想定していてください」