世界全体で3兆5000億ドルと予測
市場調査会社ガートナーの予測によれば、企業各社は2017年、世界全体で3兆5000億ドルをIT関連に費やすという。
とくにIT関連支出のなかでも、ハードウェアよりソフトウェアやサービスへの支出が増えると予想されている。
つまり、各社はこぞってクラウドコンピューティング・モデルを介してテクノロジーを購入することになる。テクノロジーはベンダーのデータセンターで管理され、インターネットを経由したサービスとして提供されるというモデルだ。
ソフトウェアへの支出は、2016年には6パーセント、2017年にはさらに7.2パーセント成長し、総額3570億ドルになると予測される。一方、企業がITサービスに費やす総額は9430億ドルになり、2016年の水準から5パーセント近く増える見込みだ。
成長しつつあるテック・トレンドには、巨額の金が付いてくる。ここ数年で登場し、売り上げを伸ばしてきているテック・トレンドのいくつかが、いよいよ離陸して来年には主流になると見られている。
ガートナーをはじめとする市場調査会社は、9つのトレンドが2017年に大ヒットすると予測している。前編ではまず、5つのトレンドを紹介しよう。
1:AI(人工知能)と高度な機械学習
2016年、「人工知能」と「機械学習」は大流行語となった。
グーグルとマイクロソフトは、自社のクラウドにあらゆる種類のAIサービスを追加した。セールスフォース・ドットコムは、新しくAIを使った分析サービスを発表した。旅行サイト「Gogobot」などのスタートアップでさえもが、自社アプリにAIを使い始めた。
「従来のルール・ベースのアルゴリズムを超えて、理解、学習、予測、適応といった新しい能力、さらには自律的なオペレーションの可能性を有する先進的な技術が登場しつつある」とガートナーは述べている。
市場調査会社マーケッツアンドマーケッツは、2014年に4億2000万ドルだったAI市場が、2020年までに50億5000万ドルに成長すると予測している。
2:仮想アシスタント
AIは、クラウドサービスから「モノのインターネット(IoT)」まで、あらゆるところで利用されるだろう。なかでも、2017年に知能的に大きく進歩すると見られる分野、仮想アシスタントだ。
「Siri」「Cortana」「Google Now」は厳密には新しいものではないが、こうしたサービスはより多くの領域に入り込みつつある。
たとえば、アップルは2016年、ついにSiriをサードパーティ・デベロッパーに公開した。そのおかげで、Siriに頼めば、個人間送金サービス「Venmo」を使って誰かに送金することも可能になった。Windows10のCortanaに命じて、多様なMicrosoft Officeアプリを使うこともできる。
グランド・ビュー・リサーチ社の予測では、インテリジェント仮想アシスタント(IVA)の全世界の市場規模は、2024年までに122憶8000万ドルに達するという。
3:インテリジェントなモノたち
2017年、AIの世界がIoTと直接交差し始めるとガートナーは予測している。
IoTとは、車から歯ブラシまで日常生活で使うものにチップやセンサーを付け、アプリ経由でインターネットにつなげるものだ。IoTデバイスをコントロールするアプリが機械学習を利用したとしても、まったく不思議はない。
2017年は、デバイスがお互いにコミュニケーションを取り、助け合って意思決定を下し始めるだろう。
ドローンや自律走行車、スマート家電などのインテリジェントなモノが環境に浸透するにつれ、スタンドアロンのインテリジェントなモノからコラボレーティブ・モデルへのシフトがあるだろうとガートナーは予測している。
2018年までには、60億の接続された「モノたち」がAIプラットフォームからのサポートを積極的に要求するようになるとガートナーは予測している。
IoTの全市場は、2016年の1570憶5000万ドルから、2021年までに6617億4000万ドルに成長するだろうとマーケッツアンドマーケッツは予想している。
4:仮想現実(VR)と拡張現実(AR)
2015年は、前評判の高かったVRとARの技術が多く発表された年だった。2016年には盛んに話題に上ったものの、それ以上のことはなかった。
オフィスでVRヘッドセットをつけて働いている人にはまだお目にかかれないが、VRとARは娯楽にとっても仕事にとっても大きな変化をもたらす技術だ。
2017年には大きな進展がありそうだ。マイクロソフトは2017年、ビジネスに照準を合わせた新しい「HoloLens」をリリースする。また、フェイスブックは「Oculus Rift」を使ったワーク・アプリケーションを公開したばかりだ。
IDCによれば、VRとAR市場の世界的な売り上げは、2016年の52億ドルから、2020年には1620億ドル以上に成長する見込みだという。
5:デジタル・ツイン
AIとIoTとVR/ARを組み合わせたら何になるだろう。「デジタル・ツイン」だ。
デジタル・ツインとは、現実世界にあるものをセンサーによる情報を使ってコンピューターで複製したものだ。デジタル・ツインはそのうち、作業者が現実世界とやりとりする一般的な方法になるだろう。
作業者はデバイス上でIoTオブジェクトを見て、不具合を診断し、解決策をテストする。デジタル・ツインを利用して新しい製品を開発することさえできるようになる。来年はデジタル・ツインがもっと話題に上るだろうとガートナーは考えている。
デジタル・ツインの市場規模を推測するのはまだ難しい。しかし、3年から5年のあいだには、何億ものモノがデジタル・ツインによって表わされるようになるだろうとガートナーは予測している。
※ 続きは明日掲載予定です。
原文はこちら(英語)。
(執筆:Julie Bort記者、翻訳:ガリレオ、写真:Vertigo3d/iStock)
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