「Amazon Go」は共同冷蔵庫。今後はマンションやオフィスにも?
コメント
注目のコメント
「共同冷蔵庫」の本家本元は日本のコンビニです(キッパリ
コンビニ1店当たりの冷凍冷蔵設備の容量は約50kLで、一般的な家庭用冷蔵庫(400Lとします)の125台分に当たります。
日本にはコンビニが6万店あるので、冷凍冷蔵設備の総容量はおよそ300万kL、家庭用冷蔵庫750万台分です。
すなわち、日本人は(単身世帯も含めて)6〜7世帯につき1台分の「コンビニ冷蔵庫」をシェアしていることになります。
しかもこれはコールドチェーンの末端(店舗)だけの話であり、フレッシュな商品が常にコンビニに並んでいる状態を保つためには、製造工場、専用物流施設、冷凍冷蔵設備付きの運送車両といった配送インフラの支えが必要です。
それらも含めた社会インフラとして「共同冷蔵庫」の存在はあまりに大きく、私たちはそのことに無自覚すぎるかもしれません。
Amazon Goはこれに挑むわけですから、在庫リスクや保管コスト(店舗不動産、設備リース料、電力料金)を引き受ける覚悟は持っていると思います。
シアトルの本社内のパイロット店舗で始めるというからにはこれから試行錯誤するということで、まだオペレーションは固まってないと思われますが、動きは早いでしょう。
「在庫リスク」という視座に立っても、この動きはAmazonにとって全く新しいエポックというわけではありません。
商品を保管する場所がサプライチェーンの中流(物流倉庫)から下流(店舗)に移るだけだからです。
Amazonは2015年末時点で世界に1,100万平方メートルの物流倉庫を持っています(大半がリース)。
これは平均的なコンビニ店舗(120平米とします)の9万店相当の巨大なスペースです。
Amazonの物流施設の6割が集中するアメリカにコンビニ5万店、その他の国地域に4万店相当が配置されている格好です。
つまり、Amazonは既にアメリカ国内に日本の全てのコンビニ(6万店)に遜色ない広さの物流スペースを持っているのです。
今後はこれを消費者に近い川下方向に広げるというのが、Amazon Goに関するチワワ的な解釈です。King HIDIEさんの「在庫を徹底的に持つモデル」という点に重ねると、個人的には本件でAmazonが本当に在庫を持つのかは気になる。倉庫含めて、リアルの強さ(というかこの規模で現物を持つことが競合への参入障壁となること)は、Amazonの強み。ただ、実店舗展開をするには配送網などのオペレーションは極めて面倒くさい(面倒くさいからこその参入障壁でもある)。
下記でコメントしたように、システムだけを既存GMSに販売するような形もありうるのではないかと思う。Amazonゆえに実店舗展開することも十分ありうると思うが、実験が成功して拡大フェーズとなれば、どちらのパスを選ぶかが気になる。
https://newspicks.com/news/1933293?ref=user_100438
<追記>コメント欄が盛り上がってきた!コンビニというのはその通りで、だからこそ個人的には「システム提供」もありうるのではないかと思っている。
コンビニにしろスーパーにしろ、実店舗の拡大は個々の契約含めてとても面倒くさい。既存競合が抑えているところから、需要を奪うあいだはロスが先行して、競合を駆逐してから初めて利益が出る。また、地域単位での強弱が異なるので、どの地域でやるかというのが重要で、そうすると成長速度に限界がある。また米国においてはWalmartなどで労使問題は常にある。
これまでAmazonは、倉庫という大規模投資はしても、エンドの物流などは委託。AWSもだが、あくまで大規模集中投資をして儲かるところが強い企業。大規模でない商圏は、基本的に苦手だし成長速度に限度があり、システム提供の方がフィットすると思っている。<追記終>共同冷蔵庫という表現、なるほどです。コンビニも一時期「独り暮らし若者の冷蔵庫」(今は高齢者も含むかもしれませんね)なんて言われていたのがなんだか象徴的です。
以前も書きましたが、コンビニがやっているPOS仕入システムを格段にスマートにするでしょうね。当然ながら、いつ誰がどういう動線で何を組み合わせて買ったかは全部リアルタイムで見て品揃えに反映させるのでしょう。コンビニがPOSレジ+人力でごりごりやってきたことも、すべて自動化です。
オフィスということで言うと、オフィスグリコやオフィスおかんのようなサービスにも侵食するかも?なんて想像します。まあ分散しすぎているので物流までうまくやるのは難しそうですが、持ち出すと画像認識で自動課金というのはできそうな気がします。