この連載について
今ほど日本にイノベーションが求められているときはない。今、大企業はイノベーションを起こすためにどのような取り組みを行っているのか。どのようなイノベーターを生んでいるのか。各社の注目のイノベーターへの取材を通して、会社を超えた「大企業イノベーション」のヒントを探る。
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三越と伊勢丹が経営統合。百貨店事業を中心に不動産、カード事業、EC事業も手掛ける。基幹店の構造改革、支店・地方店・海外店・中小型店のビジネスモデルを再構築で収益回復を目指す。ニッコウトラベルを完全子会社化するなどシナジーの高い飲食、旅行、理美容に特化し育成。
業種
百貨店
時価総額
8,793 億円
業績
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大西さんの答えは「三越伊勢丹の若手社員に外部の刺激を与えたい。百貨店の若手社員は新しいことに挑戦することも少なく、成長や学びの機会がない。そういうチャンスを与えるのも自分たちの世代の使命だと思っている」というものでした。なるほどなぁと思いましたね。
個人的に一番すごいと思っているのは、メンズ館でブランドの枠を取り払った売場作りをしていること。ブランドをテナントとして捉えるのではなく、仕入れて自分たちで付加価値をつけて売ろうとする姿勢が前面に出ています。百貨店としては革命的なことです。
その他も記事にある通り、コラボ商品を開発したり、良いと目をつけたものを紹介したり、様々な取り組みをされています。Perfumeのコラボもとても素敵でした。そんな新宿店の立役者の方とは、すごすぎです・・・
今年の4月から中小型店のご担当ということで、もしかして地方店??と思ったのですが、さすがに都心型セレクトショップでした。地方の百貨店は都心型のコト消費で生き残るのも難しいです。地方店と言っても一口には括れないですが、ある程度縮小して、あとは生活支援のような役割(宅配スーパー、介護、葬儀等々)を組み込んでいくのがひとつのあり方かなと想像したりします。
去年の年末にショーウインドウディスプレイの前の歩行者人数と注視量の計測のツール「ESASY(エサシー)」をお見せするために大西社長に直接訪問する機会を頂きました。
直接アポイントに至った理由は、偶然社内である社員が大西社長の名刺を持っているという情報がSansan上に入っており、つまりそのデータは自動的にCRMのSalesforceに連携されており、Marketing Automationツールのマルケトから、たまたまその時に全リードに対して、前述の自社の新製品「ESASY」のローンチメールを全リードに対して社長の私のアドレスから送付しました。
メールマガジンなのか、1to1メールなのか人によっては判断が異なるメールの文体でしたが、開封率は68%、わざわざご返信を頂いたのは0.1%未満だったと記憶しています。
その0.1%未満の返信の中に大西社長からの返信メールが入っておりました。
三越伊勢丹HDほどの規模感の社長でありながらベンチャー企業の製品に敏感にアンテナを張り、そして自ら必ず第一に行動に移すこと、企業の規模感からしても到底なし得ないことではないかと思います。
個性を出していくため知恵を出しあってなんぼ。
現場を大事にし、若手にチャレンジする場を提供できる経営陣が増えるといいなぁ。
ちなみに、今月のハーバードビジネスレビューに大西社長のインタビューがありました。とても面白かったです。
大西社長は、10年先を考えて、人材育成や社内制度設計をされているとのこと。
社内イノベーターが本領発揮できかどうかは、伊勢丹の事例から「トップの考え方に大きく左右される」のだなと強く感じます。
▼イノベーションライフ抜粋
『私たちが購入する動機になるのは「自分には片付けなくてはならない用事があり、この製品があればそれを片付ける助けになる」という思いだ。』
https://www.amazon.co.jp/イノベーション・オブ・ライフ-ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ-クレイトン・M・クリステンセン/dp/4798124095
ただ、伊勢丹のバイイング能力の高さには脱帽です。
個人的には伊勢丹メンズ館が一番好きなお店です。